エンタメ・オペラ「霊媒・電話」 公演情報 RAINBOW-STUDIO シアター・カンパニー「エンタメ・オペラ「霊媒・電話」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/11/02 (金) 19:00

    座席1列

    大きな驚きが2つ。
    1つめ、こうしたオペラ作品が存在していたことの不明。
    2つめ、あの「楽園」でオペラを聞くという異次元な体験。

    まず、正直に面白かった。
    「霊媒」
    インチキ霊媒を生業とするバーバとその娘モニカ、そして口がきけない、拾われてきた少年トビー。モニカとトビーはバーバの手伝いをさせられているのだけれど、バーバは何かと拾ってきたトビーに辛く当たる。怒鳴り散らすだけでなく、暴力も振るう。
    ある霊媒の日に事件が起こる。インチキ霊媒中に、バーバが首に冷たい手を感じたという。彼女は半狂乱になって、客を追い返すが、その後のこの体験がトラウマになって、、、
    作品の質感はカミュの「誤解」を想起させる。
    こちらは、あきらかな誤解が大きな悲劇を招くのだけれど。(ネタバレへ)

    「電話」
    軽快なコメディ、スマホが出てくるオペラを意外に思うこと自体、私のオペラ感は20世紀なのだな。時間は僅か30分。結婚の申込みをしようとするベンは、出張前に婚約指輪を持参してルーシーの元を訪れる。しかし、電車の時間が刻一刻と迫るが、奥手のベンはルーシーの電話にことごとく邪魔をされて、、、
    ベンとルーシーといった、いかにもアメリカの若者風の名前が、余計に物語にウィット感を出してよい。

    ネタバレBOX

    「霊媒」
    舞台上で、バーバの首を触ったのがモニカだということは明白なのだが、悲劇の結末尾を招いたこの行為の動機はどこにあったのだろうか。
    母親のインチキ霊媒を辞めさせようとしたのか、トビーへの虐待を戒めようとしたのか、それとも単なる少女の悪戯だったのか。トビーとモニカの関係の描き方が丁寧なだけに悲劇が一層重い。

    「電話」
    邪魔者の電話が、結果、2人のあいの絆を一層強めるというハッピーエンドもハートウォームで心地よい。

    次回作も絶対観よう。

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    2018/11/05 15:54

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