【ご来場有難うございました】THE TRUTH OF PALM 公演情報 super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船「【ご来場有難うございました】THE TRUTH OF PALM」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     舞台は客席中央に花道をとって板に通じる形。板上手前はフラット。奥中央の出捌け手前の板面から中央に向けてシンメトリックに右旋回、左旋回する階段が設けられている。この階段を上り切った所にも出捌けがある。同時に板フラット部分の上(カミ)、下(シモ)にも出捌け。花道も出捌けに使われる所に動きの多い作劇をするこの劇団の特徴が現れていよう。(華5つ☆)

    ネタバレBOX

     1945年8月9日、アメリカによる長崎への原爆投下から敗戦後の庶民の生を、戦中から人間としての当たり前の価値観(肌・髪・目の色、国や宗教の違いで差別してはいけない。命は同じだという判断)で生き抜き、非国民の誹りを受けながらも行為で自らの判断を実践してきた医者と教師とその家族。彼らに助けられ、恩を蒙った彼らが困難に追い込まれた時にはちゃんと恩を返し続けた在日朝鮮の人々の篤い紐帯と築地小劇場の役者達をモデルにしたであろう自由主義者の役者、自由の意味する所と実践すべきことを実践し得た勇気ある人々のブレの無い生き方を中心に、非国民呼ばわりをしたり、赤紙や時代の流れの中でポピュリズムの嘘を見抜くには若すぎた少年兵たちの言動を対置することで、また朝鮮の人々の中にも差別する日本人に反抗する人物も描いて一筋縄ではゆかぬ人間の在り様を重層化してみせると共に、士官兵卒の差と命令の下に行動する訓練を受けた軍人たちの縛られた生き方を加えることで、更に大人達の個人的悩みや社会人としての在り方、時代に対する対応の是非、またその方法、普遍的価値と時代のイデオロギーとの相克等を輻輳的に描いてみせた秀作。個々のエピソードの具体性やリアルな感覚を呼び覚ます科白と身体表現、演出も素晴らしい。被曝者を含む多くの戦争犠牲者が感じていることをキチンと描き出している点でも秀逸。日本で現在軍事化を推し進めているアホな政治屋共にも是非観せたい作品である。

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    2018/11/02 15:59

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