みんなのへや・改 公演情報 Aga-risk Entertainment「みんなのへや・改」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    商店街の空き店舗のような7メートル四方の部屋の3辺に客席を配置し、残りの4メートル四方をアパートの1室とする設定である。内容は冨坂流、説明無用のドタバタ劇である。

    江益凛さんがまさかのストーカー役である(される側でなく、する側)。江益さんと言えば浅草の「ナイゲン」ではアイスクリーム店企画のクラス代表で可憐な一年生3148役が記憶に新しい。津和野諒さんに散々いじめられて泣きそうになったときは全男性観客が「おのれ津和野め許さん!」と怒りに震えたものだが、あれは何だったのかというくらいあっけらかんとした変貌ぶりである。この津和野さんはもちろんアガリスクメンバーがどなたも出演しない番外編である。今回の男性陣の多くはアガリスクにぴったりの精神的に危険な香りがしたが、あと二人の女性陣は正統派の女優さんでアガリスク的には癖が足りない印象を受けた。もっとも大家さん役はそもそも出番が少なく、作者がエピソードを考えているうちに時間切れになったように感じた。

    ネタバレBOX

    時間になると大家さんがこの部屋の間取りなどの説明を始める。距離があまりに近いので「家賃はいくらですか」などと質問をしたくなるのを必死にこらえた。これに並行して作業員が床にはテープで間取り図を描き、天井と床の間には柱を表す糸を張って行く。壁やドアなどはエアーである。この1K風呂トイレ付の部屋が舞台の全部である。見えているのに見えない、聞こえているのに聞こえない、という不可思議な状況だが観客自らが気になる場所にフォーカスを当てる、いわばセルフ・カメラワークの感覚が通常の演劇よりも強く意識されて心地良い。冨坂ワールドのファンは十分満足できるだろう。強いて不満を言うと「大家さん」の言葉遊びがくどすぎたし、エンディングの切れ味が今一つではあった。

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    2018/10/18 08:12

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