二階から目薬 公演情報 劇団東京ドラマハウス「二階から目薬」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    コリッチのチケットプレゼントに当選したので、9月21日午後に目白のシアター風姿花伝で上演された劇団東京ドラマハウス第28回公演『二階から目薬』を観てきた。この舞台を観たいと思ったのは、タイトルに興味を覚えたから。文字通り目薬を巡る面白い話なのか、はたまたことわざを元にした出来事を扱った物語なのか。結果として、前説で後者の内容の舞台であることが明らかになった。ちなみに「二階から目薬」ということわざは、どちらかというと西日本で多く使われているもので、東日本出身者にはあまり馴染みが無いかもしれない。自分も関東地方出身在住なので、使ったことも聞いたことも稀である。

    舞台は、今にもつぶれそうな大林製薬。起死回生の目玉として主力商品の水虫薬の改良を任されていた研究員・大源静一は会社では研究一筋のまじめな男として知られていたが、裏では研究内容をダメ社員と見られていた根津を使って独自に特許を取り、特許料で一儲けを企む顔を持っていた。しかし、彼が手下として使っていた根津は、親が考えた水虫薬の特許を大林製薬の社長に横取りされ自殺した事への復讐を企んでおり、大源に使われているように見せかけて実は大源を利用していた。彼は情報漏れの元凶ではと疑われ民事裁判にまでもつれ込んだ事案を探偵事務所を使って勝訴。というのも、探偵事務所の女性助手が根津の手下だったら。根津は結局大源と探偵事務所の探偵を死に追いやり、探偵助手の女性と計画の成功を祝う。舞台裏に消えた二人。わき起こるグラスのかける音。根津が探偵助手を殺害したのか、逆に探偵助手が根津を葬ったのかは観客の想像に委ねられた。

    プログラムによると、この劇団は有限会社となっておりアクターズスクールも経営していることからしっかりとして演技の出来る役者が揃っているのではと思われたが、実際に舞台で演じる役者のレベルはごく普通というかありきたりの出来替え。敢えて言えば二面性を持つ登場人物である大源を演じた川瀬誠と根津を演じた北垣内将之の演技は良かった。反対に平凡だったのが小林製薬の専務役を演じた岩田裕弘。探偵助手役の清水愛菜は今ひとつ壁を越えたら良い役者になるだろうと思われた。そうした役者達による舞台が面白く思えたのは、恐らく話の展開に依るところが大きい。その展開の仕方が、まさに「二階から目薬」なのである。
    ちなみに、この公演は出演者のうち大源役、専務役、老人役の3人のみシングルキャストで、たの登場人物はダブルキャストになっており、それぞれにフラスコチーム、ビーカーチームという名前が付けられていた。自分の観たのは、そのうちのフラスコチーム。役者達のさらなる精進を望みたい。

    0

    2018/10/02 12:52

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大