さらばコスモス 公演情報 世界劇団「さらばコスモス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    四国と言えば神奈川かもめ短編演劇祭にてそのユニークな才能に触れた記憶が蘇るが、本坊由華子の名もその時耳にした気がする。芝居のほうは中々の実力をみせた。

    ネタバレBOX

    振りを付けた身体パフォーマンスで「物語」との距離をとりながら、ある謎めいた事件を繙いていく時間を刻む。ギリシャ神話の母娘の確執を演じる劇中劇と双方の場面を行き来する構成だが、被害者(父)の娘と母の三人がどうやら言及されている人物で、父は亡くなっているから実質母と娘である。芝居は少女を軸に据え、思春期の彼女の半径の小さな世界(精神世界)を表わすかのように見えてくる。外部者(横柄なTVリポーター、医師など)は確かに戯画的である。解明されていくのは事件でなくこの少女の内面世界で、事件というピースがパズルを完成させた時、ギリシャ神話の寓話性が効いて、人間の不条理性がパンドラの箱を開いたかのように一気に流れ込んで来る、私にはそういう感覚があった。

    後で、皆医師かそれを目指す人と知って思い返せば、「精鋭」四名で作られているというのも頷けるが、「知」が勝った劇世界の表現にとどまり、泥臭さが無い(本坊自身は体を駆使して立ち回っていたが)。知将?本坊由華子の面目躍如、とは言え、劇団の行く末に幾ばくか心許なさを覚える後味であった。というのは、肉体より知(手法)が勝っていると、知の変容は肉体に比べて遙かに容易だから、「継続」という点で心細い。それは観劇直後、「次に何をやるのか」が今ひとつ見えて来なかった事とも通じるだろうか。とまれ、しぶとく続けていって欲しい。

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    2018/10/01 09:11

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