出口なし 公演情報 シス・カンパニー「出口なし」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/09/24 (月) 14:00

    座席1階D4列5番

    新国立劇場の新芸術監督に就任した小川さんが、本番の新国立劇場主催公演に先立って、シス・カンパニーの公演で手腕を発揮。

    東京公演の千秋楽を拝見しました。
    80分と短めの芝居だったが、お互いの死の背景の自白から、人間関係の当てこすり合い、そして眠らずに、永遠に時を過ごさねばならない3人。
    彼らがいるところがどこか、ということが徐々に判るということでしたが、案外、序盤で判明するのは、演出なのか、台本なのか、そもそも元脚本がそんな感じなのか。

    3人3様にリズムよく、感情をむき出しにするかのようにセリフを応酬する。
    いやあ、皆さん芸達者ですね。80分という時間が、とてもテンポよく流れていく。

    でも、一方では、1分100円という割高感はある。満席であることを鑑みれば文句を言うべきではないのだろうけれど、素晴らしい舞台でより多くの人に見てもらいたいことを考えると、もう少し価格を抑えることはできなかったのかなとも思う。

    多部ちゃんの水色のワンピースがかわいかったな。

    1つだけ注文を。翻訳で、若い女性役のセリフの語尾を「・・・だわ」とする表現が多いのだけれど(この芝居で言うと多部未華子役)、時代がかった芝居ならともかく、現代劇ではどうも違和感が。

    ネタバレBOX

    出口はない、ということだけれど、外に出ようと悪戦苦闘したガルタンが、唐突に開いたドアの先に観たものは何だったのか。彼が部屋を出ることを辞めた理由は何なのか。イネスをドアの外に行かせないものは何なのか。

    召使は、ドアの向こうには廊下があるだけと言っていたし、彼ら3人もドアの向かうから入ってきたわけなのだが。

    固定された椅子と、召使はやすやすと動かしたにもかかわらずガルタンには、その重さからびくともしない銅像。ペーパーナイフは死ねないことを確認するための装置?

    ラスト、これから永遠の話し合いに入ろうと呼びかけるガルタンの諦観が籠ったセリフ。
    「他者は地獄である」鏡がなく自らを確認できない3人は、永遠に他社の眼に晒され続ける。彼らは目をつむることはできても、眠ることがないのだから、他者を意識から外すことはできない。これがやはり地獄なのか。


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    2018/09/25 10:59

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