眠っちゃいけない子守歌 公演情報 劇団演奏舞台「眠っちゃいけない子守歌」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     Aチームを拝見。(華5つ☆)

    ネタバレBOX

    二人芝居で女優さんが異なる。拝見したAチームは文月 一花さん、相手役は、鈴木 浩二さんだ。お二人とも素晴らしい演技であったが、特に文月さんの緩急を対比しつつ微妙な変化を体現した演技は気に入った。
     戯曲のチョイスも良い。別役作品は好きなのだが、舞台上演で今作を拝見したのは初めてであった。男は存在の不定とそれ故の孤独を生きてきた証に、“普通”の生活感覚を持ち、人々と交わりながら生きてきた人々との対話に齟齬を来している。その結果、普通の人は、何とかコミュニケーションを取ろうと図るのだが、恰も離人症患者のようにトラウマを身体に刻んだ傷として生きている男との間には、深淵が広がるばかり。構ってくれた初の他人、その諦念に出会って初めて、男は、己のトラウマの原点に回帰することが出来、女もその場に立ち会って、謎解きをした。その結果は、死。男の安らかな死、即ち解放である。この微妙で存在の深淵を覗きこませるような難しい表現を実に見事に表現している。舞台美術も品の良さとセンスの良さを感じさせるばかりでなく、演奏の浅井 星太郎さんの演奏と二人の演技のコラボが素晴らしい。演出も浅井さんだが、しっとりと深く魂に沁みるような作品に仕上がっている。

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    2018/09/16 23:10

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