満足度★★★
鑑賞日2018/09/12 (水) 19:00
座席1階1列
タイトル通り時間制限有の中での犯人と刑事の交渉劇。
ただし、テイストと人物設定に難あり。
まず、交渉劇になっていない。
娘を人質に取られた父親を介した犯人との交渉を交渉人が行う、というのが本筋なのだけれど、
心理劇的なサスペンスになっていない。
交渉劇では、裏で奔走する警察という図式が必須で、
そこについてはかなり描き込んでいるものの、肝心の交渉人が犯人の言質を取るとか、犯人が交渉人を翻弄するとかのかけひきがない。(私が気付かなかっただけ?)ただただ、交渉人がやっていることは、ある第三者から提供される情報を咀嚼することと、同僚から提供される情報を待つだけだ。
もう1つは主人公マリの人物設定、彼女は同僚からはゴリラ扱いされる猛女
(スタイルはよいし、とてもチャーミングではあるけれども)で、すぐに犯人に手を挙げるし、声を荒げる。交渉の依頼が来ても、刑事にも関わらず気乗りがしないとのらくらとする。
直情径行的で、どうしても冷静沈着な交渉人に適している人物には見えない。
冒頭に、銀行強盗を捕獲するシーンで、いきなり部屋に踏み込んで達者なアクションを見せてくれるのだけれど、これ必要?(掴みとしているのだろうけれど)
犯人は人質を取っているわけではないので、逮捕ということではこれでよいのだけれど、これでは交渉人という設定が生きてこない。
プロファイリングを教育された刑事とかだったら、ありかもしれないけれど。
マリと同僚の元夫との子供の自殺という悲しい過去や、
犯人のパラノイア的かつ残忍、狡猾な人物像を描く過去の事件など、それぞれの背景をきちんと設けていることから、もっとサスペンスフルな心理戦が期待されたのだけれど。
ちなみに、マリの子供自殺。吃音で発達障害の子供の前で、あんなに夫婦でいがみあったり、大声出したりしたら子供まいっちゃうよ。子供可哀そう。