満足度★★★★
鑑賞日2018/09/02 (日) 14:00
座席1階1列
ハイナ・ミュラーというと、この春に「ハムレットマシーン」フェスティバルが開催されたばかり。とはいえ、「ハムレットマシーン」でさえも、近年、日本の劇団で演じられるのを聞いたことがなく、この劇団が初演に、この作品を選んだ理由は何だったのだろう。でも、英断。
5つのエピソードが、ピアノの演奏を挟みながら、ナチスカギ十字を模した舞台設定の上で繰り広げられる。全編で1時間。ピアノ演奏は、転換のためのアクセントだと思うけれど、毎回座席後ろから出てきて、舞台奥まで移動しての演奏はどうだっかな。狭い通路をドレスで出てくるのは、ちょっと興覚め感もあった。
沈黙の暗転でも十分くらいに、1つ1つの作品にエッジが立っており、けして前の作品の余韻を引きずることもなかっただろうから。
次回作も期待なのだけれど、ここで1つ問題が。若い役者のみでの劇団なので、どうしても年配者役が出てくると無理がある。「肉屋とその女房」「シーツまたは処女懐胎」は、20代が60代を演じることで、前の3作品と比べると作り物感が出てしまい、ちょっと緊張感が削がれたのは残念。
当日は満席。半数以上が若い女性というところにも、この劇団の持つポテンシャルの高さを感じる。ただ席が詰め詰めで、姿勢は苦しいし、尻は痛いし。1時間でも十分に拷問だった。