みのほど 公演情報 (劇)ヤリナゲ「みのほど」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2018/08/24 (金)

    価格2,700円

    劇団主宰兼脚本家(越寛生氏)が体調不良により作・演出ができなくなり、俳優も2人が辞退(代役なし)。
    そんな状況が発表されたのが上演1週間くらい前だったか……

    正直、自前の公演だったら純粋に上演中止だったのかな、と思う。
    ただ、この公演は「MITAKA "Next" Selection」であり、行政が入っている。
    自分の劇団だけの話ではなく、来年以降に迷惑のかかる話で、中止はありえない。

    そこで主宰・脚本家の残したメモと、過去公演を合体させて上演した、と。
    115分の演劇を観て、公演は公演であったけれど、やはり表面的で胸に去来するものも、
    凄いものを観たという感覚もなかった。

    凄い不出来で、という訳でもないので、★3つです。
    私は、凄いものを観たかったのです。

    ネタバレBOX

    まず初めに、ヤリナゲ所属の俳優、浅見臣樹が語り始めます。
    今回の騒動の現実パートです。
    公演直前になっても脚本が出来てこない、連絡も来ないので、越寛生の家に行きます。
    居るものの、どうやら悩んでいる様子。
    越はスケッチバインダーの入ったダンボールの形をしています。
    そして、喋ります(音声のみ)。そういうデフォルメ。
    「またな」と帰って、第一幕終わり。

    第二幕は、浅見と出演者が集まったところ。いわゆる稽古ですね。
    「越が行方不明だ」
    ざわつく。とりあえずスケッチバインダーが12冊ある。
    書き殴られたメモから使えるところを探して、今回の演劇をやろうという話になる。

    そして本編その1。
    映画サークルの監督と女優(監督と肉体関係のある女優)。
    4ヶ月ごとさかのぼっていく形、4場面。
    (1)もう一度やり直したいんだ
    (2)女優と監督の彼女が女性同士でくっつく
    (3)女優が「私は貴方の彼女じゃないの?」と言って諍い
    あれ?ちょっと足らんか。

    パンフにあった「コウくん」(監督)と「カエデちゃん」(女優)の設定は踏襲。
    ただ、時代が変わって表現することが息苦しく……というような設定はない。

    で、今度はカエデちゃんが男優になるが、「いやいや、これは無理があるって」
    で終わり。

    そして本編その2。
    今度は大学に入ったもののロクに行かずにVRギャルゲーにハマった息子、
    その母親、
    そして息子の憧れの女の子(MOD適用した)バーチャル彼女のお話。
    大学の名前(ICU:国際基督教大学のこと)が連呼されるけど、一般的に言うと
    ICUって言うと「集中治療室」なのかな、って思う人が居そうなので、「それって、いる?」
    と思わないでもない。(主宰の越氏とかの出身大学がICU)

    さらに本編その3。
    戦争に行ったカエデちゃんのお父さんのお話。
    カエデちゃんのお父さんは戦争に行ってるので、額に入った写真のような状態。
    カエデちゃんのみ話すことができる。

    全編を通して、「これって"みのほど"って感じだよね?」という会話が入ってくるが、ほぼ腑に落ちない。
    全編を通しても、各編で観ても、それほどグッと来るものがない。
    演劇としては成立している。

    ちょっと気になったのが、幕間暗転のときと同じように、終演のときも爆音が流れていて、
    観客の拍手がかき消されていたこと。こんな状況は観たことがない。
    普通なら終わった後、挨拶して、出演者の今後の公演とか話すものだけど、それもなし。
    終演、礼、終了。何の拒絶なんだろうか。

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    2018/08/28 12:56

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