満足度★★★
■約90分■
同時多発会話が多すぎたり、キーパーソンをあえて登場させなかったり、手法に淫している印象は否めないが、これ以上ないほど酷薄で惨い青春群像劇を老練に、緻密に作り込んでいて、不快感に苛まれながらも惹き付けられる。作劇の手腕だけについて言うなら、とてもとても、23歳の作とは思えなかった。ただ、やはり、キーパーソン、特に男のほうが舞台上に現れないのは物足りない。演劇部員たちの会話だけからではその人物が単なるロクデナシ野郎としか感じられず、その人間的な厚みの無さが劇を安っぽくしているようにも思え、私には勿体なく感じられた。それにしても、開演前に前説をしていた主宰女性は人並み以上の社会性を感じさせるパッと見きわめてまっとうそうな人物なのに、暗い激情にあふれたこんな作品を作るとは…。最後まで、主宰と作品とが繋がらなかった。でも実際は繋がってるんだろうなぁ~。スゲエな。