私は世界 公演情報 ワンツーワークス「私は世界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今まで観たワンツーワークスの印象通りの芝居。ドキュメンタリーシアターを主にみて来たから、別物を期待したが。ただし作り込まれたムーヴが冒頭あり、名物(らしい)を堪能。
    さて、シリア入りしたフリージャーナリストが武装組織に拘束された例の事件(未だ帰還せず)を扱った劇である。
    これを「自己責任」のワードで日本の若者の就職難や格差問題と関連付け、我々の日常と地続きに捉えようとした狙い?と思われるが、成果については微妙だ。「概念」を橋渡しに用いて概念の域を出ない事がもどかしい、つまり私の日常感覚に迫るものが薄まった。それは橋渡しとなる日本の現状についての言及が、(それを担う人物を据えてはいるが)一般的な説明を超えないように思えたからだろう。
    以前チャリT企画が後藤某さんのISによる処刑事件を40分の劇にしていたのは優れた「説明」になっていたが、考察に必要な情報量と論理構成ゆえだ。
    今作はドキュメンタリー性を排してドラマに寄っている。ならばもっと人間を描くドラマに徹して然るべきでは・・?と。

    ネタバレBOX

    劇の序盤、大手新聞の若手記者が、鼻息の荒い上司に対し「人質に心情的に寄り添うのは国民感情に反する」と異を唱えるが、この逆転の構図が、ユニークな人物関係の説明であるのかと言えばそうでもなく、終盤でこの上司はこの時の考えをいつしか捨てている。こういう部分に「ドラマ」としての残念さをを感じる。
    演技をふくめた芝居作り全体からして身体より頭脳に訴えてくる。頭脳でしか処理できない次元に止まる劇に今回は終った、という言い方になるか。。所作一つで違ってくるのに惜しいと感じる箇所もあった。
    好みの問題はあるだろうが。それが力量の問題でなく作為だとすれば(恐らくそうだと思うのだが)、勿体ない事この上ない。

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    2018/07/29 09:27

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