満足度★★★★
鑑賞日2018/07/18 (水) 19:00
座席1階1列10番
恒例の花園神社の椿組公演。
今年は、泉鏡花の「天守物語」「夜叉が池」から題材をとった作品。
高取英氏が脚本と知って、あれどういう繋がりなのだろうと、ちょっと意外な感じ。
高取英氏の脚本の多くは、発想の自由度が高く、一気に書かれたような疾走感が楽しい。
ゆったりとしたテンポで始まりながら、突然ギアがトップに入ると言えばよいかな。
しかし、それが仇になることもあって、とにかく発想がぶっ飛んでたりするので、時として迷宮の闇に突入して、物語が破綻するようなことも珍しくない気がする。ご本人が演出を手掛けると、この傾向は舞台上で顕著に表れる。(月蝕歌劇団では、よくそう感じる)
しかし、今回は演出が花組芝居の加納幸和氏。天守物語なら、私の範疇とばかりに、奇想天外な物語に抑制を効かせて、その上で松本紀保が舞台上で引き締める。椿組の力量に問題はないので、かなり耽美で妖異な舞台なった。泉鏡花の舞台としては、成功の範疇じゃないかな。
毎年、終了後の打ち上げのビールが楽しみです。