福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」 公演情報 DULL-COLORED POP「福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    120分。

    ネタバレBOX

    福島県双葉町が原発誘致を決定する1961年の数日の、地元の顔役・穂積家や町長、県職員、東京電力職員らを描く。

    戦後復興の波に乗れず、ただただ貧困な東北・福島で育ち、東京大学で物理を学び、東京で働き日本のために生きたいとする長男・孝(内田倭史)を中心に、人と人との想いが描かれる。
    家族や地元への愛情という軸と、低い地域経済性といったヒトモノカネの欠乏という軸に、発展という夢がぶっこまれる。その夢はきっと地域の活性化につながったし、多くの人がその利益を享受し続けたが、原発誘致決定から50年後、その夢が悪夢となったワケだけど。
    東電社員の佐伯(古屋隆太)らが穂積家へ集まり穂積正(塚越健一)に土地の買収を迫ったあの夜。原発反対にはならなかったのは、とても自然かなと思う。「広島出身」の佐伯のセリフが映写されたのは、多分ファクトな部分だからだと思うけど、それ抜きでも皆が皆、夢(想像)を膨らませていたからかなと。悪い方でなくて良い方に。じゃないと生きていくのがツラすぎるから。
    ちなみに、終盤で佐伯が東電の黒幕(えらい人)と話している中で、「反対する人間は札束で叩け」的なセリフがあったけど、あれは創作かなと思った。根拠はないが。よくわからずにいうのもアレだけど、結局原発誘致(原発推進)は利己的な性質なものなのか、一部の人間の損得なモノだったのか。上にも書いたけど、あんまりそんな気がしていないので。

    色々笑えるトコも多くて、小道具とか衣装とか照明とか、コロコロ変わるトコが多くて、ここらへんも楽しめた。
    孝が田舎から出て東京へ行くというシーンの、正や母・豊(百花亜希)のセリフが身に応えた。

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    2018/07/22 21:59

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