鬼神綾話 公演情報 芸術集団れんこんきすた「鬼神綾話」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ”鬼啖”必見の舞台だ。(華5つ☆)

    ネタバレBOX

     初演もこの会場であったが、洞窟のレイアウトが横になった。縄暖簾が増え、天上から床まで垂れている。上手、下手のみ幅の狭いものが、中段、手前と2段になっており、中央の物が一番奥に丁度、客席側の縄暖簾の間を埋める具合に設えられている。上手のものは、中央と手間を繋ぐ部分がある。これらの縄暖簾は、戒めの縄との因縁をも示し、また、様々な布によって編まれた色合いは、人の心の微妙な綾をも示唆しているかのようである。床にはオオサンショウウオのような敷き物、縁には小石が散らしてある。また、上手縄暖簾の下には岩塊をイメージした造作、その奥にもやや小ぶりの岩塊がある。戯曲家・奥村さんの作品は、下敷きにしている作品があることが多いようだが今作も例外ではない。「日本霊異記」中巻三十三からということである。但し、作品は、近代を経、現代を生きる当に我々の意識そのものをヴィヴィッドに描いているものであり、完全に現代の作品である。
     下手縄暖簾を押し開くように若い尼僧(木村美佐さん)が入ってくる。鬼と恐れられこの洞窟に囚われている者(中川朝子さん)を折伏に来たのだ。若いに似合わず落ち着き、有徳、而も中々に優れた頭脳の持ち主と見える。村人の頼みでやってきたのではあるが、基本的に精神の自由を保つだけの知性と判断力を併せ持った女性(にょしょう)である。彼女の賢さと鬼女の賢さとの壮絶な論戦がみものだ。この弁証法的論理対決は、尼僧の生まれ育ちの良さから無意識に抑圧していた倫理観、即ち社会生活の中で世間的価値観に縛られ、自分では封印していた魂の深い秘密とパセティックで非常識な本性を徐々に明らかにしてゆく。この論理展開の見事さを、キチンと身体化してみせた2人の女優の演技の迫真性がいやがうえにも舞台を盛り上げる。

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    2018/07/16 03:30

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  • こちらもお名前を入れました。
            ハンダラ 

    2018/07/16 12:31

     上演に間に合うようにアップしておきますね。
                    ハンダラ 拝

    2018/07/16 03:34

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