戦国アイドルタイム 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「戦国アイドルタイム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    コメディ色とエンタメ性が強く出ている作品。
    その中にシリアスが入り絶妙なバランスで緩急がつけられ起承転結のバランスも良い。
    あまり頭を使わず目の前のお話を追って笑っていればあっと言う間だと思う。
    前回の公演で苦手意識のある人には是非、本作を見て欲しい。

    上演時間も2時間弱とベスト。
    またキャスティングも文句のつけ所が無い。
    劇団員の配役もベストであると感じるし、ゲストで呼ばれた役者さんについても
    ちょうど欠けた穴を埋めるようなかたちになっていて納得の存在感を出している。
    「この人物は果たして必要か?」ということが過去作品ではあったりしたが、
    今回はそういったストレスも無い。

    この劇団の公演を初めて見る、という人には是非とも勧めたい作品になった。

    ネタバレBOX


    ただ一つ苦言を呈するとすれば主人公の左之助が抱える問題から
    『逃げた』ように感じることだろうか。
    シリアスの部分が持つテーマは端的に言えば
    武士が「人を殺すことに疑問を持ってしまった」ことになる。
    このテーマを消化することは不可能かと思う。
    おそらく答えは出ない、と思っている。
    現代の倫理観を戦国時代に落とし込み
    『問題提起』で完結しているのは脚本家の意図しているところかもしれない。
    しかし左之助がその問題を消化できず、
    「とりあえずやってみればなるようになる」というような形になっているのは消化不良気味だ。
    せめて妻の恵那に「あなたが決めたことならば信じてついていきます」
    くらいのことは言って欲しかった。
    それによって左之助の行動は肯定される。
    恵那の性格上、素直では無いようなのでああいう言い方になったかもしれないが。

    しかし前述した内容は粗探しをして見つけた程度のことなので、
    全体的には申し分ない内容になっている。
    大いに笑い楽しませてもらった公演になった。
    またシリアスだけでなくコメディでも十分観客を楽しませる力量を見せつけられたのではないか。
    浅草でやることにも大きな意味があった公演だったと思う。

    最後の『アイドルタイム』には驚く人も多いのでは無いだろうか。
    面白い試みだとは思うし、今の市場ニーズに合わせてきたとも思えて戦略的な部分も垣間見える。

    この公演で卒業する劇団員が演じた吉乃殿、非常に愛らしく彼女に合っていた役どころだったと思う。
    最後まで明るい笑顔で居たのが印象的でした。
    新しい門出が良いものになるよう心から願っています。

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    2018/07/15 23:13

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