青い鳥 完全版 公演情報 演劇屋 モメラス「青い鳥 完全版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    メーテルリンクの『青い鳥』は元々戯曲だと聞いて古書店の文庫版を買ったらその通り。20世紀初頭の作品だが、当時の技術で実現できるのか訝るような贅沢な舞台装置、衣裳、ミラクルな仕掛けを要する細かなト書きに最初は驚いたが、最後には作者の拘りと情熱に納得させられる。
    昨年夏の利賀演出家コンクールの課題作品の一つで、この演目を選んだ3組(3人)が優秀賞を分け合ったそう。その中でも最上位をモメラスが取り、その前の公演「こしらえる」(松村翔子作演出)にみた才気が実証されたものと想像したが、期待ばかりを膨らませて観劇日を迎えた。
    確かに・・既成作品に取り組む事で「演出家」の輪郭がみえてくる。「こしらえる」の時とはうってかわって、「努力」の痕跡がみえた。(詳細後日)

    ネタバレBOX

    「詳細後日」と書いたまま日が過ぎた。記憶力もさして良くない脳みその舞台の記憶も既に危うい。「努力」の意味は・・自身のテキストでないものを掴まえ、形を与えるにも、松村女史自身はメソッドを持つわけでなく、対象を前に感性と思考力とを動員し、出てきたものをアレンジした、その結果のように見えた。つまり新鮮であり、中庸でもあり、物語を手玉に取ったようでもあり遠慮(畏怖)しているようでもあり、そうした個々の要素が数々の模索の証しだとすればそれは「努力」と言うべきもの? そんな程度の話であるが、現前した「思考の人」松村演出がこの後どう思考して行くのかを秘かに見守りたい。

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    2018/07/04 08:58

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