裏の泪と表の雨_ 公演情報 BuzzFestTheater「裏の泪と表の雨_」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    初日観劇、公演の象徴でもあるような雨が降り、路上には長蛇の列。上演後、開幕時間の遅れを謝罪するほど盛況であった。
    初演時にも観ているが、劇場が変わると印象が違って観え、改めて演劇は”生”もの、その魅力をしっかり味あわせてくれた。
    (上演時間2時間強)

    ネタバレBOX

    舞台はお好み焼き屋の座敷、テーブル席が2組。神棚や提灯、壁のお品書などが店の雰囲気を出している。奥には窓ガラス、それを透してブロックやトタン波板塀が見える。この和の空間で不協和するようなドラマが展開する。店は大阪・西成区太子_いわゆる”あいりん地区”と呼ばれる街にある。

    梗概...母が亡くなり2カ月が過ぎた。この機に店主・宮田諭(満田伸明サン)は離婚し、店も譲り念願の夢を叶えようとしていた。そんな時、両親の離婚によって離ればなれになった弟が28年ぶりに訪ねてくる。懐かしいが何をどう話せばいいのか、その微妙な距離感・ぎこちない態度・そぶりや会話が実に上手く表現されている。朴訥な話し方であるが、それゆえに滋味が感じられる。そして弟は別の意味で旅(高飛び)をしようとしていた。

    初演時(ウッディシアター中目黒)の至近とは違い、上階段席から俯瞰するような距離で観た。自分の人生、40歳過ぎの男が本当にやりたいこと、そこに家族という壁?が立ちはだかり思うようにならない。一方、坦々とした暮らしにどっぷりと浸かり平穏な日々を望む妻。家族という憂鬱さを周囲の人々も巻き込んでユーモアに描く。そこには”街”という生活空間(感)が大きく影響している。
    コメディであるが、底流にはこの街独特の人情(在日韓国人の登場など)を絡める。この街は嫌い、ションベン臭い街を雨が洗い流してくれる。登場する人々は実に魅力的(俚言も含め)で、その街から本当に連れて来たのかと思わせるほどである。特に邦子おばちゃん(山口智恵サン)は、そこに住んでいる典型的な人物像のようだ。

    先に記した舞台美術を始め、照明・音響の演出も素晴らしかった。集合、個人(2~3人)の会話劇によって照明諧調、音響は弱いピアノの短音で雨音に重ね合わせるような効果が見事。観客に「人」と「街」の印象をしっかり刻み込み、余韻が残る公演であった。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/06/23 11:46

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