動物園でなく人間園と言うところなのだろう。
倫理よりも衝動が勝る現代社会を人間園として描いていた。
社会の膿と呼ばれる部分をかき集めリアルに描写した形だが、
オレには大人のイジメシーンが断然よく描けてみえた。
イジメる方だけでなく、空気を読めな過ぎるイジメられる方にも非があるのは理解が出来る。
一般の平均的視線で見るとかなりグロい部類で、途中気分を悪くされた客もいた。
ただ、もしオレがこの路線の舞台を作るとしたら、
客の1/3から半分に嫌悪感を感じさせてこそ意義があると思う。
昔、東京乾電池が客が帰りたくなるような舞台を作ろうとしたことが
あったらしいが、同じ発想じゃないだろうか。
だからとことんグロを目指したらもっと何か見える気がする。
ま、オレ自身そういうものをやりたいとは全く思わないので、言ったことにも責任は持たないが。
序章で、「人間らしいとは何か」みたいなリアルとはちがう極端なシーンがあったが、
オレなら極端な世界を芝居にするし、そっちの方が面白くなると感じた。
松尾スズキの『キレイ』のダイズ丸的な話だったので、序章をそのまま本編として観たかった。