ゆとりアルバイター山田くん 公演情報 劇団おおたけ産業「ゆとりアルバイター山田くん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     所謂ゆとり世代と所謂団塊の世代ジュニアの相克話であるが、(追記2018.6.18)

    ネタバレBOX

    他にサトリ世代や団塊世代も何気に包含されており、遠く離れた歴史とは思わないが、何故、こんなにラップが選挙演説にピッタリなのか? 不平をいうのにピッタリなのは、その発生からもあきらかであるが、実演されてあまりに嵌っているので、ホントに驚かされた!? 
     まあ、実質完全植民地なのに、宗主国にスリスリして喜んでいる連中が多いのだから、選挙など茶番である。そのことに異を唱えるということが、ゆとり世代からのメッセージだとすれば、ラップが此処までピッタリくるのは、当然なのかも知れないが。
     何れにせよ、コンビニ店員達の仕事状況を描くことで、日本の現状を炙り出し笑いに紛れさせながら、とても大切なことを訴え掛けてくる今作、大いに楽しめる。
     役者さん達の演技も良い。
    作品内容
     24時間営業のコンビニ。人手不足で店長は、17時間労働などが結構あり、へとへとの状況、そこで新たに募集を掛けた。応募して来たのはまともな履歴書も提出せず、而も履歴書を封筒にも入れず折り畳んでポケットから出し、面接に遅れて事前連絡もしなかった山田くん。
     だが、疲れ切っていた店長は彼を採用した。然し、採用後も彼の遅刻癖は直らず、言葉遣いも良くない。当日のシフトキャンセルや、その為の嘘等が重なり終に堪忍袋の緒を切らした店長は、解雇を申し渡す。だが、24時間営業のコンビニを営業し続けるのは体力的にキツイ。おまけにずっと働いてくれていた女性が結婚の為に退職した。そんなこんなが重なって青息吐息の所へ、未精算の給料を受け取りに山田君が来店したのは1か月後、彼が定職につかなかったのは、小劇場演劇の役者として一旗揚げるべく上京してきたからだったが、諦めて実家へ帰るという。この店に迷惑を掛けた理由も説明した。
    それによると他にも仕事をし、睡眠不足やオーバーワークになっても安い時給で生活は苦しく、稽古時間を取る為に借金を重ねた結果、返済に追われ、芝居に総てを賭けるような生活ができなり、遂には夢を諦めざるを得なくなったとのことだった。
     事情を素直に説明し、キチンとした詫びを入れた山田くんに、店長は言う。夢を諦めない方が良い、と。その為には彼を再雇用し、チャンと仕事をすれば、時給も上げる、と。山田くんに、再始動のチャンスが与えられて幕。
     今作には、チェーンだフランチャイズだのと大手に旗を振られ、グローバリゼイションの波に揉まれながら悪戦苦闘する中小個人商店などが、傘下に入り、収奪される有様が如実に描かれている。最低賃金しか出せないような劣悪な就労環境の中で、それでもバイトをするしかないような、協調性ばかり仕込まれ起業などの発想に至りつかないか、至っても実現する為のノウハウを獲得し得ないような人々が、それでも夢を追い、四苦八苦している我々自身の似姿が、ゆとり世代VS団塊世代ジュニアの相克を軸に描かれているのだが、この対決にサトリ世代の論理が楔を打ち込むことで、社会の歪を見事に炙り出す構造になっている。ただ、これだけでは、余りにも荒い展開になってしまうから、ゆとり世代ではあっても、ただ、生活する為に淡々と仕事をこなすキャラを入れたり、ありがちなパートさんを入れたりすることで、自然な感じを醸し出している。
     一方、新たに選挙戦に打って出た若い女性が、このコンビニのアルバイトの主戦力である淡々と仕事をこなす人物の同級生であることを通じて、ゆとり世代の持つ価値観の新たな可能性を開示して見せてもいる所がミソ。

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    2018/06/16 13:35

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  •  お疲れさまでした。
    追記しておきました。ご笑覧ください。
                ハンダラ 拝

    2018/06/18 14:49

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