カール・マルクス:資本論、第一巻◆フェスティバル/トーキョー09春 公演情報 フェスティバル/トーキョー実行委員会「カール・マルクス:資本論、第一巻◆フェスティバル/トーキョー09春」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    『資本論』の実感。
    演出家集団・リミニ・プロトコルが、『資本論』を再構成した。
    何かを解釈する時に例示は有効で、彼らはそれを有効に利用する。
    それも、実際の経験談を本人に語らせるという形で。

    その人の経験談が『資本論』とクロスする瞬間がある。
    つまり、『資本論』が実感される時だ。
    そして、今の時代状況と『資本論』がクロスする。
    1867年に刊行された書物が、2009年を説明する。
    これ以上に滑稽で痛快なことなどない。

    前方の席は、字幕が舞台の上部にあるため、少し観づらい。
    後方の席の方が、役者と字幕が同時に観られる可能性が高いと思われる。
    字幕を必要とする劇はどうしてもそういったジレンマがある。
    かと言って、その人のヴォイスは大切だから、吹替えは望まない。
    字幕で巧く見せる方法をどこまでも模索していただきたい。

    1年に1度、リミニ・プロトコルが来日してくれることを切に願う。
    これほど新作を楽しみにできる団体はなかなか無い。

    ネタバレBOX

    日本人キャストにやや準備不足や過度の緊張がある。
    外国人キャストが慣れ切っているだけに、そこのギャップが気にかかる。
    (また、ドイツ語を介さない日本人キャストはきっかけが難しいのだろう。
    何度か台詞の順序が役者間で前後してしまう時があったようだ。)
    素人を舞台に載せる難しさが露呈しているように思われた。
    前年の『ムネモパーク』では感じられなかったことだ。

    今回、日本版にリミックスした部分が効果的でありつつ、
    上記のような理由でうまく噛み合ってないような部分がある。
    バランスがなかなか難しいであろうが、精度を高めてほしいところだ。

    また、実際にテキストを配られたことには驚いた。
    実際に目にすることで、実感してほしいという意味があるのだと思う。
    そのおかげで、より一層講義のような雰囲気となった。
    たまにはこんなお勉強も悪くないものです。

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    2009/03/02 21:34

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