Brand new OZAWA mermaid! 公演情報 EPOCH MAN〈エポックマン〉「Brand new OZAWA mermaid!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/05/12 (土) 14:00

    小沢道成さんのひとり芝居観劇は2回目だが、今回も素晴らしかった。
    世間知らずな少女の“期待しすぎな”夢と好奇心がまぶしい。
    なんて綺麗な人魚、そして脚なんだろう!
    人魚は軽やかに東京を目指すが、
    パーカッションのドラマチックな演出が彼女の選択の重大さを表している。
    ライブならではのアクシデントをものともせず、
    たたみかけるような台詞とテンションでむしろパワーアップさせるのはさすが。
    ひたむきな“平成人魚姫”が東京を泳ぎ渡る。

    ネタバレBOX

    黒い舞台の奥にドラムセット。
    波の音が次第に高くなる中、開演を待つ。

    ティア―ドスカートの人魚は、海の底で人間世界の情報を収集している。
    「an an」を読んだりして地上の生活をシミュレーションするのが可笑しい。
    18歳を迎えた姉たちは、次々と広い海へ出ていく。
    決して人間に近づかないように、と注意を受けて…。
    やがて一番下の人魚が18歳になった日、彼女は海に落ちた人間の男を助ける。
    それが彼女に“人間になる”決心をさせる…。

    「人魚姫」は可哀想すぎる、という小沢さんの
    「純真さへの愛おしさ」が作品に満ちている。
    “東京イマドキ王子”とのあるある感満載の会話や
    情報に振り回される若い女性の心理が細やかに描かれてとてもリアル。
    日本中毎日どこかでこんなやり取りが交わされているだろう。

    演出的には
    一大決心をして“足”を手に入れた時のシーンが圧巻。
    姉たちの人形も笑った。
    冷蔵庫や水族館の演出も巧み。
    劇場を活かして目いっぱい楽しい演劇体験をさせよう!という
    気概にあふれている。
    ドラムのマルシェⅡ世さんが、にこやかに人魚を見ているのがまたいい。

    ラスト、海辺で花火を見上げる人魚は何を思っただろう。
    これからどうするのだろう。
    小沢人魚は泡になったりしない気がする。
    海へ還るより、東京を自在に泳ぐ方がずっと似合っている。

    ひとり芝居でありったけの想像力を結集させる小沢さん、
    次は何だろう、絶対また観に行きます。

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    2018/05/12 21:46

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