満足度★★★★
日本ではないことは確かだ。
19世紀的装いの男女(民衆)が、私たちには理解しえない言語でやりとりしている。
イントネーションからいったら南米系(ポルトガル語)だと思う。だが、やや土着をも匂わせている。東南アジア系なのかもしれない。
こうした、「仮想の国」の、システマチックな共同体の中を、試験管を通して眺めるようである。
民衆が勤める工場、といったふうに描写は具体的だ。それは、討論のシーンにおける 沸き立つ発展途上性を合算して、よもや歴史の一部であるかのような錯覚を生じさせる。
「仮想の国」では、民衆が群れとなって牛となる。身体表現についても書きたい。システマチックな共同体の、もっとも「周縁」を生の人間が演ずるからだ。
現代舞踊だとは主張はしないところが これを特徴づける。