春の花びら3回転!! 公演情報 チームまん○(まんまる)「春の花びら3回転!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    オムニバス3短編で、共通テーマが”下ネタ”ということらしい。もっとも下ネタというよりは、身の上・身の下相談という「人間」観察したような物語で、笑いの中に感情_その悲喜交々が紡がれている。タイトルはもちろん通俗性を意味しているのだろう。
    (上演時間2時間強)

    ネタバレBOX

    基本は全て素舞台。物語によって小道具(Box椅子)が運び込まれる。3つの話の間に1~2分のリラックスタイム(単に少し体を動かすだけ)がある。

    3つの話(タイトル)は次のとおり。
    ①「おめこ星」
    人付き合いが苦手なサラリーマン、それが電子機器(スマートフォンか?)で検索・調査をさせているうちに、頼りきってしまう。一方、電子機器も男に彼氏のような感情を抱きだし…という物理的には非現実的であるが、人間心理の悲哀、狂気、恐怖が観える。そして生身の彼女との関係が絡んで嫉妬、懐疑という機械が人間並みの感情を抱き…。

    ②「じ まんげ~自慢気~」
    もっぱら男性が持っているであろうアダルトDVDの所在、その隠蔽方法に観る男女の駆け引きを面白可笑しく描く。その男女は「母と息子」という親子関係であり「彼と彼女」という恋人関係という観点の違いを用い上手く表現している。演出では隠すベット下、本棚等の場所を擬人化させているが、これが体力演技で笑える。

    ③「うんKO」
    便秘という生理的現象…現実(シチュエーション)場面において”便秘”がもたらす悲喜交々を面白可笑しく観せる。もちろん便秘は歓迎(排便はオートメーション、人の意識はあまり関係)されない、だから簡単に「うん KO」などという肯定した言葉は出ない。むしろ感覚的には「う~ん固」に近い描き方だった。

    3回転とも人間の生きる姿を描いている。「おめこ星」は電子機器(AI搭載?)という”性能”に依存したサラリーマンの”知性”の不足。「じ まんげ~自慢気」は”性春”時におけるエロ媒体を巡る”理性”の不足。「うんKO」は”生理”現象という習性のコントロールの不足といった描きであろうか。普遍的な行為のようだが、その日常にある、またはありそうな情景・状況を笑いと甘酸っぱい感覚で観せるところは巧み。人間は完璧ではない、それが共通の”不足”であり、その特徴的なことを下ネタ(材料)として観せていると思えば頷ける。

    素舞台であるにも関わらず、情景描写が上手くとても楽しめた。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/04/16 18:33

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