満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/14 (土)
両国シアターXにてトム・プロジェクトさんの「砦」を観劇。ダム建設を巡って1958年から13年に渡って繰り広げられた“蜂の巣城闘争”という実話に基づいた社会派ドラマ。世の中に大きな影響を与えた歴史的な闘争なのかもしれませんが、恥ずかしながらこの作品を観るまでは知識を持ち合わせておりませんでした。トム・プロジェクトさんのお芝居は実話を題材としたものが多く、とにかく色々と勉強になる生きた教科書だと感じています。今回はダム建設反対を訴え続け命を懸けて闘った一人の男とその妻、夫婦を取り巻く様々な人々の物語。時系列で一連の動きが紹介されていましたが、ただ単に歴史を紐解いていくだけではなく、故郷を守りたいという男の強い想いや夫婦愛などがジワジワと伝わってくる素晴らしい作品でした。ダム建設だけではなく、このような大規模な公共事業を行うときは何かとスムーズに進まい印象があり、今回の作品においても断固反対を訴え続ける主人公に対して、同情したい感情とそうでない感情が生まれたものの、観終わった後は何とカッコいい生き方をされた男性なのだろう、という感情が一番強く沸いている気がします。村井國夫さん藤田弓子さんの夫婦役は勿論でしたが、複数の役をこなされた3名の役者さんもお見事。今回の観劇をきっかけにこの闘争についてもっともっと調べてみたいと思っています。