正しい顔面のイジり方 公演情報 スマッシュルームズ「正しい顔面のイジり方」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    舞台を見終わったあと、フライヤーの女性がどんどん主人公に見えてきたのはとても不思議な気持ちでした。

    ネタバレBOX

    次々と整形と偽名により様々な人生を送った主人公ですが、このようなストーリーを描く場合は時系列的に進行させるのが一般的な手法だと思います。しかし今回はそれを捨て、それぞれのストーリーを横一線に並べて出会いから破局までを同時進行させていく、という展開手法はとても斬新でした。
    複数のショートストーリーを組み合わせた展開でしたが、待機スペースの役者さんをサイコロの移動や小道具の授受に絡ませる、といった小気味良い効果により、全く間延びせずに観れたのが素晴らしかったですね。
    また主人公を1名ではなく5名の役者に演じさせ、役者さん達がそれぞれの持ち味をしっかり活かしたことにより、その都度違う顔を見せたところも素晴らしかったです。
    演出面においても、サイコロと大小の“棒”をいろいろ見立てて使い、例えばサイコロはテーブルや椅子として使うのみならず、死体を見下ろす穴の上、営みの場所、ベランダ、といった様々な“箱の顔”を見せ、これが主人公の “七つの顔”に絡めたようで素晴らしい効果を生みだしていました。場面場面に緊張感をもたらした照明さんや音響さんもとても良い仕事をされたと思いました。
    特に印象深かったのはラストシーンですね。主人公は実際は服役中に病死したのですが、舞台では夫と笑顔で対面し、だます為の“顔”ではなく、妻の“顔”と母親の“顔”を最後に見せたところで終わらせたところに当劇団の“思い”を感じました。
    本当に素晴らしい舞台でした。ありがとうございました。

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    2018/04/05 00:58

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