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劇団鴻陵座「
生き返るなら早めに言って
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10434)
満足度
★★
流れは後程書く。(ネタバレ追記2018.4.2)
ネタバレBOX
だが、脚本は粗い。というのも母親たちの吐く嘘は、直ぐに嘘だとバレてしまうような稚拙なものなのでリアリティーがないこと。こんなに小さな小屋で科白をがなったりするので滑舌の悪さばかりが目立ち肝心の科白が聞き取れないこと。物語の論理展開から必然的に導き出されるような重層的で尚且つ芯のしっかり通った文章構造を作り出し得ていないこと。これらの欠点を演出がキチンとダメ出しをして直していないことなど。演劇の基本が全然できていないことに対して自覚が無いことを意識できていないようであること等が気に掛かった。
以上のように感じたのも、序盤、中盤、終盤の殆どで余りにも杜撰な嘘が、通ってしまう展開になっていることが大きい。安倍政権じゃあるまいし、隠蔽のシステム、共謀のシステム、権力者への媚び、そのほか諸々の利害が絡んだ土壌と腐敗の上に成立している仇花システムを持つわけでもなく、キチンとアイロニーとして描かれている訳でもない今作は、折角コンプレックスの持つダークな面を描いていても、その効果が減殺されてしまうと考える。
さあ、ネタバレと参ろう。
無名校ではあるが、名門校相手にノーヒット、ノーランを何度も達成し、しかも4番で打者としても大活躍していた達樹が、突然事故で亡くなった。当然、甲子園へ出場の予定も崩れ地区予選で惨敗を喫したが、バッテリーを組んでいた孝史郎は望んでいた進路を変え、高校教師になる道を選んだ。墓前で野球部の顧問になりチームを甲子園に連れてゆくと約束したからである。
幼馴染から自然に恋人になった三奈美は、矢張り一緒に子供の頃から遊んでいた弟・和樹の彼女になっていた。野球を達樹に教えたお兄ちゃん英二は、今や弁護士である。
物語は達樹の死後3年の後、彼の人気が未だに高いことに目を付けた出版社が、彼の人となりを周囲の人物に取材して本を作ろうと取材に現れる所から始まる。偶々、編集者が売れる本を作りたい一心から、取材中に「弱い」などと口走ってしまったものだから、唯でさえ、カッコを付けたがり嘘をでっち上げていた母の暴走ぶりがエスカレートしてしまう。彼女は、霊媒師の能力を持つという女迄呼んでいやが上にも効果を盛り上げようとしていた。当にその時であった。達樹が生き返ったのは! 無論、皆仰天した。そして、その後少し落ち着いた。で彼は似てはいるものの、本人ではないのではないか? と当然の疑問を抱く。それで実験をしたのだが、内情を知る者達にとっては、彼が本物であることがハッキリしてしまった。
一方、それまで嘘を吐いて丸め込んでいた編集者は、嘘を真実と思い込み、現れた人物は偽物だと判断する。
さて、死亡診断書も火葬許可証も未だ手元にある。実際、達樹は死に、火葬に付されたのである。その彼が生き返ったなど誰も信じまい。而もプロのスカウトも注目していた天才であったから、事故の賠償金も異例の額が認められていた。その金も詐欺ということにされてしまえば返還する必要も生まれてこよう。更に損害賠償請求の裁判が待っているかも知れない。既に3年も経った今、父母は離婚もしており、父は売れない役者で金も無いので母が働いているのに、裁判を起こされ詐欺で起訴された上、損害賠償請求訴訟等を起こされたら堪ったものではない。おまけに弟の和樹には、天才である兄に対する強いコンプレックスもあって、衆議一決、生き返ってきた達樹殺害の計略が練られ実行されたのだ。
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2018/04/01 13:49
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