丹青の三方一両損 公演情報 深川とっくり座「丹青の三方一両損」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    落語、講談で馴染みの「三方一両損」を江戸っ子気質に自分たちの大事な妹や弟子の色恋を絡め、さらに仲裁役となる大店(大黒屋)の女将さんの不興をかうハラハラ、ドキドキ。そして、大岡(奉行)裁きならぬ決着はどうなるのか。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    落語ネタ。元は左官金太郎が3 両拾い、落とし主の大工吉五郎に届けるが、吉五郎は落とした以上、自分のものではないと受け取らない。大岡越前守は自分で1両足して、2両ずつ両人に渡し、三方1 両損にして解決する落語で馴染みの「三方一両損」。

    本公演のセットは、根付職人・松吉が住んでいる長屋、松吉の妹が奉公している大黒屋、大黒屋に出入りしている大工・巳之助の親方・八五郎の家、その3場面で構成されている。それぞれ長屋塀・井戸・とっくり稲荷大明神、大黒屋の看板、親方の家内にある箪笥など特徴ある物を張りぼてや置物等で表し、それを絶妙なタイミングで暗転・場面転換させるところは見事。

    物語の基本的な流れは落語と同じ。梗概…根付職人・松吉が大黒屋から根付代金6両を貰って長屋まで帰ってきたが、途中で財布を落としたことに気づく。その財布を拾ったのが大工の八五郎、そこで弟子の巳之助を松吉の所へ行かせるが、松吉は落としたからには自分の財布ではない、と受け取らない。一方、八五郎は礼欲しさに届けさせたのではないと言い張り…。

    その2人が大事に思っている松吉の妹・おきみ 八五郎の弟子・巳之助の恋が絡み、江戸っ子の”意地”と大事な人を思う”人情”が交錯しハラハラさせる大衆演劇(喜劇)。定番劇の醍醐味をたっぷり味わえた。役者の表情・立ち居振る舞いは、それぞれ江戸庶民の気質と暮らし振りを十分観(魅)せてくれた。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/04/01 11:36

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