荒天~こうてん~ 公演情報 劇団黒胡椒「荒天~こうてん~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    2017年、江戸。政府も一切関与する事が出来ない独立国家のような存在…それが”吉原遊郭”という浮世離れした治外法権区域である。物語は2017年という設定であるが、江戸という封建社会の様相を色濃く残している仮想国のようにも思える。そして救いのないような…。
    (上演時間2時間20分)

    ネタバレBOX

    舞台は上手側に生バンド(Sp&Ba、Dr、Gt)、下手側は2段にした芝居スペース。そこは緋毛氈が敷かれ、両端に「大門妓楼」の大提燈が掛けられ雰囲気を醸し出している。

    物語は、吉原遊郭という特別な地域、その閉鎖された場所では独自の法体系を有し、そこで生きている者を拘束している。その支配者:弥人が足抜けする者には厳罰を下すが、基本的には安寧に暮らせるよう善政をしている。しかし息子・一弥が父を殺害し自分が支配することで暮らし向きは一変する。一弥は両親の愛情を感じられず育ち、確執があったという設定である。
    この地域の自警団のリーダー・真白は、人望もあり皆をまとめていたが、一弥の行いに疑問を抱き、好意を寄せている政府直属部隊の相良純と連絡を取り合うが…。
    さらに、この地域の特殊性を取材しようと記者が潜入してくる。為政者によって庶民の暮らし向きが左右されるというのはいつの時代も同じか?

    治外法権的な特殊(閉鎖的)社会における弊害、そこで生きる者の保身と郷という感情を縦軸とし、遊郭自警団リーダーと政府直属部隊リーダーの なさぬ恋を横軸に紡いで行く。そこに特ダネを狙う第三者が絡む重層するような展開。

    舞台は客席寄りの前、全面を利用し華やかなダンス・パフォーパンスを行うが、横列だけではなく、客席通路を利用するなど縦横に動き回り躍動感を出す工夫が良い。通路を真白が花魁道中として通るなど観客サービスも忘れない。艶やかでスタイリッシュなダンス、そしてラストの一弥対相良純の殺陣シーンは壮絶にして悲愴、その救いのない展開に心が痛む。
    少し笑ったのは、支配する法が「労働基準法」という既存の労働法の1つであったこと。仮想の地域ならば、もっと独特の法制を考えてもよかった。もう1つは、音楽(音響)に興味がある者は、生演奏する演者の姿も気になるところ。ダンス等の観(魅)せ場こそ、音楽も同調するので、その場合は目線をどちらに向けるか迷うが…。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/03/31 09:05

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