猫の夢をみていた 公演情報 演劇ユニットastime「猫の夢をみていた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    死にゆく者の怖れと未練、残された者の悲しみ寂しさを抒情豊かに描く。話は分かり易く観客の気持にスッと入ってきそうな展開である。悲哀は「雨」という涙で濡れていることで表現し、それを不思議な照明効果で観(魅)せていた。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    セットは3層、両側に2層部への階段、2層部は病院の中庭といった感じで、ベンチが置かれている。さらに3層部へは下手側に階段があり、そこは黒紗幕で照明を当てることで病室内であることが分かる。1階部がチラシ説明にある居酒屋イメージで横長テーブル、Box椅子が3つ並んでいる。

    物語は3家族の「生」と「死」を見つめたもの。”泣かせる”ことが始めから分かる公演。話の1つ目はチラシにあるOLみなみ(古根村アサミさん:脚本担当)が居酒屋で後輩のタツと飲んでいる時、後輩の前の職場の上司カズ(橘宗佑さん)と出会う。カズは余命わずかなようだ。2つ目はタツの妹が交通事故に遭い脳死状態になっているが、その現実を受け入れられず、頻繁に病院に行く。3つ目は医者トットリ(今氏瑛太さん:演出担当)が死んだ妻を忘れられず、娘から自分を見ていないと心(母への嫉妬)を閉ざされている。これらの話が交錯してセットと同様、重層的に観せようとしている。そしてそれぞれの思(想)いを猫の目を通して見る。

    全体的に死への怖れや生への執着が感じられず、いわば美しい絵画的な構成で感情移入が今一つ。淡々とした口調は、既に死を受け入れた諦念を思わせる。物語としては、”アナタを忘れたくない心通う”の謳い文句通り、心に残るしみじみとした内容だけに勿体無い。台詞も「サヨナラは(簡単)に言えない」や「人の(心臓)を貰ってまで生きる価値があるのか」という生へ真摯に向き合うような、そんな心に響くものがあるだけに…。

    「雨」の表現は、照明(波紋、流線型)効果で柔らかく優しく描き(「猫」の表現を借りれば”あたたかい雨”)、その余韻・印象付けは見事であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/03/22 18:34

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