満足度★★★★
鑑賞日2018/02/23 (金)
女殺油地獄」
徳庵堤の段、河内屋内の段、豊島屋油店の段、同 逮夜の段
有名なお話なのであらすじ省略ですが、ここまで人間の弱さ、業の深さを描いた近松門左衛門は天才です。
歌舞伎は観ないので、人間が演じるとどうなのかはわからないのですが、人形たちが演じる凄惨な場面は本当にゾッとします。
血しぶきが飛ぶわけでもないのに、人形、義太夫、三味線が一体となって、そこに取り込まれていくようでした。
玉男さんの与兵衛は、荒々しく、残酷な男でした。
自分さえ良ければ、人を踏みにじってもいい、殺してもいいと言う身勝手さを強く感じ、憎憎しかったです。今回は人間の弱さよりも残酷さが怖かったです。
和生さんのお吉の善良さが、この男の非道な振る舞いをより残酷に感じさせました。
今回は最後の逮捕されるところまで観れたので、心の中で一段落つけて劇場を後にできました。
やっぱりここまで観ないと、落ち着きません。
迫力満点の舞台を、ありがとうございました。