ロミミ_The W edition_ 公演情報 はちみつシアター「ロミミ_The W edition_」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    芝居、歌、ダンスで観(魅)せるエンターテイメント作品。公演は、物語と歌・ダンスという2部構成のように思ったが、パフォーマンスの先に物語の魅力が隠されているような演出は巧み。
    出演者が全員女性で華やかであるが、一方、女性の厭らしさ、面倒臭さという台詞に表されるような女性=人間らしい感情を強調させ物語を面白くする。
    (上演時間2時間20分)【ステージミラクル】

    ネタバレBOX

    左右対称の階段状の舞台。その立体化した空間に魔法という非現実的(虚構)の要素を持ち込むが、そこで展開される物語は地に足を着けた現実に生きる人(OL)を鮮やかに描き出す。

    梗概…海岸沿いの街にある電機メーカーで働くOL。主人公・アラヤン(小山まりあサン)は営業宣伝部に勤務しているが、不器用で仕事は今ひとつ。そんな中、会社では新製品の宣伝という仕事をアラヤンなどの落ちこぼれ軍「チームメトロ」に任される。
    そしてアラヤンがリーダーに指名され、戸惑いながらも一生懸命チームメンバーに働きかける。一方、スーパーエリート軍「チームスカイツリー」は大激怒し協力もしてくれない。そんな時、掃除のパートが”給湯室のポットには、秘密がある”という不思議な話をする。そしてポットに触れた瞬間、その先から魔人、魔人ウーマンが現れ「お前の願い…(3つ)叶えてやる」という。アラヤンが願った3つとは、リーダーシップ、チームが仲良く、そして最後は…。

    組織(会社)として新製品の宣伝と個人として同期入社のジャスコ(氏家康介サン)との分かり合える関係を持つこと。この2つを交錯させて物語に厚みを持たせている。新製品の売り出しにイベントを催す、それがダンスという魅力的な観せ方になり劇中劇のような演出にする巧みさ。

    ハッピーエンドという予定調和を思わせるが、ラストは大地震が起こり崩壊した職場から同僚を助けたいと、その願いが3つ目になる。しかしアラヤン自身が…。アラヤンは別のところへ行ったが、自然や現実と異なる時空で一緒にイベントに参加している姿を見ると、少しホッとする。
    物語同様、衣装なども おちこぼれ「メトロチーム」はスカート、スーパーエリート「チームスカイツリー」はパンツ姿として分かり易く観せる工夫をするなど細かい演出がうれしい。

    最後に虚構の世界を描く公演は、夢のようなものだが、人は現実に生きていくことを直視させることによって、生き延びよと言われているようだ。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/03/10 12:36

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