新宿の紫のバラ 公演情報 めがね堂「新宿の紫のバラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    3月3日の午後、コリッチで招待券が当たったので、新宿眼科画廊で上演されているめがね堂公演『新宿の紫のバラ』を観てきた。新宿の、もっと言うと新宿眼科画廊で上演するにふさわしい芝居という事だったので、面白そうだなぁと思い期待して出かけた。小劇場の中でも小さい方の画廊地下のスペースでの公演で、行ってみるとスペース中央を舞台にして、舞台を挟むように2面に客席が配置されていた。この狭い空間をどう使って何を上演しようとしているのか。手がかりはタイトルのみである。

    さて、劇の内容がよく使われる多重構造で成り立っていた。新宿眼科画廊に舞台を観に行った男性が、劇場で観客としてきていた1人の女性と出会い興味を持ち、彼女を捜し求め、出会えたら彼女を一流女優になるまであしながおじさん的に金銭的にバックアップするだけでなく、彼女を活かすための自ら脚本を書くようになる。しかし、いうの間にか脚本は彼の本心を離れて一人歩きし始め、彼女の両親の金への執着、本心では女優になりたくなかった女性の心情トロと自殺・・・。衝撃にうちひしがれる男性が気づくと、彼は劇場で舞台を見終わった直後である現実に引き戻されていた。

    男性が舞台を観に行ったは、馴染みのガールズバーの女性がそこに出ていたから。彼女に渡すつもりの紫のバラは、彼女では無く一目惚れした女性との間をつなぐシンボルとなる。最近自分は芝居を中程まで見ると、「この芝居、最後はどう収まりをつけるのだろうか」という気持ちで見ることが多い。そのままスムーズにまとまって終わることもあるだろうし、何かどんでん返しがあって予想外の結果で終わることもあるだろう。今回の舞台では、今進行している内容は男性の一瞬の幻想として処理されるのではないかと予想出来てしまったことがちょっと物足りなかった。
    舞台全体としては、男性役と一目惚れした女性役の役者の出来が全体の仕上がりに大きな影響を持っていたが,2人とも一応は及第点と言えそう。個人的には、この女性の母親役と劇団の看板女優役の役者に興味を持ったし、劇団で男性役を演じる役者がなかなかの快演をを魅せてくれた。
    ともあれ、この舞台を見終わった自分の胸に残ったのは、切ない思いであった。

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    2018/03/09 16:41

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