寂しさが、マジで鳴るなんて思ってなかったのに、まだ、あなたはそこにいるの? 公演情報 東伏見企画「寂しさが、マジで鳴るなんて思ってなかったのに、まだ、あなたはそこにいるの?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

     男女両刀使いの女が主人公。

    ネタバレBOX

    場所は渋谷、かつて紀伊国屋があった裏辺り、首都高を超えた辺りに出入りする20代前半の女の痴話である。彼女は、恐らく快楽傾向に従って男女構わず相手をとっかえひっかえしているのであろうが、自分では人間関係の距離感もデリカシーも互いの関係に働く心理的経緯や因果関係を想像し対応する能力も無いキャラとして描かれている。当然のこと乍ら、彼女の行動パターンはいつも一つで相手が男であろうが女であろうが、実家へ一緒に行きその間の言動なり母との距離の取り方が自分と完全に一致しないと不満を持ち、独り孤立してゆくことで相手を詰り、自らが悲劇のヒロインを演じたがるナルシシストであるから、必然的に「恋」は破綻する。こういう痴話を描いて一体何を観客に訴えようというのだろう? 誰も他人の痴話などに深甚な興味を覚えるほど暇ではあるまい。仮に彼女のキャラを通して渋谷という街を描こうと試みるなら、表面をなぞっただけで表現が成立するなら何の苦労もいらない。第1回目の公演とはいえ、何の為に書くのか? 何で演劇という形式で表現しようとしているのか? こんなにまどろっこしい表現形式を選ぶのであれば、それなりの主張が観客に伝わるようなエッジの立った作品にすべきであろう。
     ホントに、渋谷に屯する若い女子を描いたつもりなら、キチンと取材をしているべきだし、この街と若い女性に関する優れたドキュメンタリーを読んで研究し自分の取材結果を補完しておくべきだろう。大体、大卒の女性を“女の子”と位置づける感性自体が余りにも子供っぽい点が気に掛かる。
     今後、演劇を続けていくつもりならば大いに勉強する必要があろう。

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    2018/03/09 09:17

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