今度は背中が腫れている 公演情報 あひるなんちゃら「今度は背中が腫れている」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とりとめのない話題を「会話」ではなく、あくまで「おしゃべり」という形態で繫いでいくことへのこだわりが「駄弁」であるということなのかと理解した。
    オフビートでほわほわっとした感じの笑いに触れ合うのが久々だったから、なかなか楽しめた。

    ネタバレBOX

    チガサキさんという、男性社員の背中にある日、大きなコブのような腫れができてしまい、どうしたらいいものか同僚に相談するところから物語がはじまる。
    そして、終わりまで話題の中心にあるのは「背中の腫れ」というより、むしろその話題だけで、物語を走らせる。
    とあるオフィスを舞台に「背中が腫れている」ひとが悩んだり、戸惑ったり、そうでないひとたちは、そのことについて、あれやこれやとおしゃべりしているという話。

    劇中には「背中がずっと腫れている」ひと、「途中から背中が腫れてくる」ひと、「背中を腫れさせたい」ひと、という「背中の腫れ」当事者側(背中の腫れ当事者に寄り添うひと含む)と、
    「色々と憶測をたてる」ひと、「憶測に共感する」ひと、「憶測を正常に戻す」ひと、という「背中の腫れ」当事者についておしゃべりしているギャラリー側が、交互に舞台に登場するという構成になっていた。
    ギャラリー側の場面の時は客席もうっすら明るくなったので、トーク番組に参加しているような一体感があり、なぜ「背中に腫れ」があるのか、その腫れをどのように考えていて、これからどうしたいと思っているのか、という当事者の気持ちを一緒に推理して行くような面白さがあった。

    そのなかで「背中の腫れ」の原因については、人それぞれに原因があるのだろうということがだんだん分かってくるのだが、なぜそういう現象が起きるのかということについてはよくわからないということから、ひょっとして寄生獣的なアレが体内に入り込んで、宇宙人に浸食される系のSF!?と、思ったのだけども、最後まで真相は明かされないので謎のままという。
    その点に関してはモヤモヤするが、それ以外はほとんど腑に落ちた。

    ものすごいアクシデントとか、衝撃を受けるようなことは出来事は特になく。
    舞台装置もミニマムであったけど、おしゃべりを一番の「装置」として、
    話を展開していくことがあひるなんちゃらだと理解したので、「お話」に集中することができた。

    登場人物では、特に「背中を腫れさせたい」願望を持ってるチガサキさんの部下のタナカさんがおもしろかった。なかでも印象的だったのは、女社長に出世を占ってもらう場面。
    それ、「占い」じゃなくて「査定」だよ!っていうチガサキさんのツッコミが、かなりツボった。

    あと、客入れの時にかかってたオリジナルソングがシティポップみたいなサウンドなんだけど、歌詞がひとクセあって聞き入ったのと、劇中ぴーひょろろろーぴーと、オフィスのコピー機の音がずっと小さく鳴っていて、音へのこだわりも感じられた。

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    2018/03/05 01:28

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