このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております) 公演情報 MU「このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    4つの章から成る長編、とのことだがまさに長編。
    サイコロを四方八方から見るように、ひとつの事象を多面的に見る視点が効いている。
    一人ひとり深堀りすれば、登場人物の誰もがスピンオフの主役になりそう。
    ガールズバーの面々がきゃあきゃあする、よくある場面でもシラケないのは
    キャラの濃さに台詞がちゃんとついて行くから。
    その意味で隙の無い配役が素晴らしい。
    何でも屋の西川康太郎さん、いいやつだな、惚れてまうがな!


    ネタバレBOX

    舞台中央、横に長いカウンター、下手にはソファとテーブル
    正面奥には本棚が壁状に置かれ、店の中と外を隔てている。
    さっぱりしたモノクロの舞台。

    第1章 
    浮気を疑って身辺調査を依頼する一方で、派手な結婚式を挙げたいから金を貸してほしい、
    と姉に頼み込む妹。
    不安を払しょくしようと無理矢理理想の結婚式をしたがる心理が上手い。
    姉(古市みみ)の男前なキャラが魅力的。
    「無敵だよ」の一言が秀逸。これ大ウケだった。

    第2章
    帰宅拒否男4人組の、バーのアイドルみかちゃんをめぐる攻防。
    現実逃避と癒しへの渇望、特別扱いしてほしいという甘え満載の男たちが滑稽。

    第3章
    さざなみの上にあるガールズバーの面々がやって来て
    カウンターでそれぞれの悩みを打ち明ける。
    みんな厳しい現実を背負って、ガールズバーで働いている。
    そして店での「現実じゃない方」が楽しくなってきた、と語り合う。
    彼女たちのリアルと、対極にある嬌声、そのどちらもが彼女たちの人生だ。
    決して饒舌ではないのに、一人ひとりの人生が立ち上がってくるのは
    無駄の無い台詞と役者陣の力量。
    とてもいいシーンだった。

    第4章
    思いがけない展開で、さざなみとガールズバーの接点が明らかになる。
    MUらしいエンディングは、もやもやする反面考えさせる。

    しかし「何でも屋」の男、いいキャラだ。
    彼の方がよほど人を救う気がする。
    「明るい謙虚さ」を持った男が好きなので大変楽しかった。
    西川康太郎さん、他の舞台も観たいと思った。

    BARと教会はやはり似ているね。
    どちらも秘密を話して楽になりたい人間が集まってくるところ。
    他人の秘密を聴いて短いコメントをするしかない人間が待っているところ。
    そして、何も変わらないけれどちょっと一休みするところ。




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    2018/02/25 00:42

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