サーチライト 公演情報 ユニークポイント「サーチライト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    それぞれの関係性
    4つの物語から構成された芝居。そこには日常の起こり得る出来事だが、そこに息づくニンゲンの優しさとか、労わりなんかが潜んでいて観ていてホットする空間。
    絹糸を紡ぐように丁寧に丁寧に表現した舞台。
    素晴らしいです。

    ネタバレBOX

    井上家の食卓、国際問題研究会、素子の部屋、アルカディア。この4つの物語が上段、下段、右、左と舞台のスペースを上手く使って表現する。舞台の床から天井までの3本の白い柱の効果なのか、舞台の高さや空間が広く感じる。セットが素敵です。

    井上家では、けいすけが失踪したことによって、今まで普通に暮らしてきた夫婦の関係性が壊れる。妻は「私には何もない。」と自分の立ち居地を真剣に考えて夫との距離を置く事を提案する。この気持ちはたぶん、男性には解らないと思う。
    夫は夫で、急に妻が何故そんなことを言い出したのか、解らないまま、妻の提案を承諾する。この時の夫は自分の主張を上手く表現できないし、無理に引き止める事が出来ない。たぶん、夫は「何故自分はいざという時、きちんと言葉で伝えられないのだろう。強引に出来ないのだろう。言いたい事はここに、こんなふうに、こうやって、ちゃんとあるのに、ほら、いつだって、こんなふうに、ちゃんとあるのに・・。」と、もどかしく思っているはずだ。
    それでも妻は夫を労わりながらも出て行く。

    国際問題研究会でもデモに勧誘した男とデモに勧誘された学生の関係性が実に優しい。

    素子の部屋では、素子の、悪性の腫瘍が見つかった年下の恋人に対する会話がどこまでも優しい。彼の父親に成り代わった言葉が彼を勇気付ける。

    アルカディアでは本当の自分と夢や希望を見つける為に若者が集まってくるが、リーダーは本当の自分なんて本当はないんだ。と解っちゃってて、それでも、若者に夢や希望を見失わないように説く姿勢が優しい。


    この物語は、それでも私たちは、毎日こうやってこんなふうに、それぞれ自分に見合った場所で、毎日生きているんだ!
    って表現した舞台だと思う。

    それは、井上家にしろ、国際問題研究会にしろ、素子たちにしろ、アルカディアの人たちにしろ、ニンゲンの根源の優しさと希望に満ちた作品なのでした。

    とっても素敵で優しい作品です。毎回思うことだけれど、ここの役者の演技は自然で本当に素晴らしいです。お勧め。

    2

    2009/02/21 18:07

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  • おーじ>
    んー(^^#)素敵でしたね♪

    たぶん、あの夫婦は元に戻るでしょうね。妻の夫に宛てたテープがそれを匂わせてる。何の定職も持たず女性が一人で生きていけるほど世の中は甘くないです。
    素子は彼が死ぬまで彼の傍を離れずうっとずっと支えていくでしょうし、国際問題研究会では誘われた方がどっぷりとのめり込んで、それが生きがいになってる。それはそれで幸せなことだろうし、アルカディアでは現実を見ないで夢や希望を追ってる。そんな風に生きられるのも幸せなことかと。

    そうして、おーじ、ワタクシ達観劇人は日々の現実から逃れてこんな風に素敵な芝居を観て感動しながらひと時を過ごす。
    とっても幸せなことじゃない?(^0^)
    素敵な物語を作る劇団には感謝してもしきれない位です。

    小劇団!ばんざーーーい!!

    2009/02/22 10:42

    そう、とても丁寧に丁寧に、優しく優しく作られた作品でしたね・・。
    観ているこちらの気持ちまで優しくなるような、そんな作品・・。

    なるほど・・

    >それぞれ自分に見合った場所で、毎日生きているんだ!・・
    ということなんでしょうね・・。
    自分など、ああゆう風に同じ舞台上で見せられると、ついつい関連付けたくなってしまったのですけど・・。
    それぞれ見合った場所で・・・、ということなんでしょうね・・。

    2009/02/21 22:31

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