皆殺しの天使 公演情報 “STRAYDOG” Seedling「皆殺しの天使」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     ストレイドッグとワーサルシアターの提携公演ということだ。ストレイドッグサイドは、若手の出演である。最近若い人たちの舞台に多く登場するのがダンスシーンなのであるが、殆どの場合、このシーンと物語の間にダンスシーンがなければならない必然性が無いのが実情である。今回の作品もこの例に漏れなかった。

    ネタバレBOX


     ドラマツルギーに対する否定的な態度を鮮明にし、今迄の演劇理論に対する批評として機能している訳でもない。何ら必然性の無いこのような手法は感心できない。今回のダンスシーンは、レディースで踊り自体はかなり上手いだけに残念である。ダンスシーンを入れるなら、シナリオレベルで踊りが必然的に必要になるシチュエイションを設定するか、メタ演劇としてこれまでの演劇手法を批評するような視座をキチンと提示すべきであろう。
     弱者に対する温かい視座はグー。例を挙げれば、外国人差別やジャピーノ(ナ)に対する差別を糾弾している点などである。今作に登場するバーの店主が娘として育てているジャピーナが、オーディションで自らの生い立ちから来る実母の国への憧れと戻りたい希望を述べるくだり、よりましな暮らしを求めて借金をし日本へやってきたものの、借金を返済する為に体を売らされている麗花の魂の底にある可憐と純情は心を撃つ。それらを理解できる日本人が実は詐欺まがいの男であるという点も素晴らしい。
     これに対するに警察の対応は、法的には理解できても根本問題を解決する為に用いるべき方法でないことは明らかであり、掛かるが故に、弱者がヤクザの支配下で呻吟せざるを得ないという実情が担保されてしまう。
     このような問題を炙り出してくれた点は評価したい。気に入った役者は、ジャピーナ役、麗花役そして詐欺師役、医者役の4人。

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    2018/02/17 11:22

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