満足度★★★
鑑賞日2018/02/11 (日) 14:00
これは愛に飢え渇き、光を望みながらも闇を選ぶしかなかった者たちの物語。見せたいもの、訴えたいこと、叫びたい思い、それは確かにこの芝居にはある。ただ残念なのは、芝居にかける情熱はあるのに、それが芝居を見せるテクニックとしてうまく実っていないことだ。単に芝居として見れば、派手なポーズと大声のセリフで頑張っている姿ばかりが目について、全体的に大味な仕上がりになっている。絶望の闇の深さを知らしめるならむしろ闇の中で彫像のように動かず沈黙すべき時もあるのだが、そういう芝居の見せ方の深みには欠けている。
ただしファッションのセンスは良く、衣装で見せるカーニバル的な楽しさは有り余るほど。凝りまくったコスチュームを見に行くだけでも劇場に足を運ぶ価値はあるし、私は十分に楽しんだ。劇団名が示すようにサーカスのような華やかな雰囲気があるのだから、もっと音楽性を高めて劇中歌のシーンを入れるなどしても良かったと思う。