必殺!道化危好~ジョーカーキッス~ 公演情報 劇団零色「必殺!道化危好~ジョーカーキッス~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     寄合がセリに掛けるのは依頼された件、仕事の依頼は基本的に殺人である。

    ネタバレBOX

    これを殺し屋達が落札して、各々の件を片付ける。但しセリの形は通常とは逆で、最も高い値が最初に付けられ、その値を下げてゆくことで成立している。当然利益は薄く下手を打てば赤字、而も内容を一旦見てキャンセルをすれば組織によって始末される。これがお約束である。
     ところで、腕っこき4人の殺し屋集団・カゲロウはこれまでしくじりもなく、組織からも他の殺し屋グループからも一目置かれる存在。現在のメンバーは4人だが8年前には5人だった。リーダーが消えていたのだ。現在、その経緯を知っているのは、ショウだけである。だが、彼は実際何が起こったのかを、語ろうとしない。
     リーダーの失踪を巡る謎解きをメインストリームとし、サブにビジュアル系ガールズエアバンド・堕★天使’sを巡る因果を軸に展開する。恋が絡み、母子家庭問題が絡んで物語は展開する訳だ。
     今回が6回目の本公演であるが、メンバーが皆若いことからくる経験不足、即ち基礎力の不足からくる演技自体のイマイチ感。脚本が受けを狙って本筋に太く強い背骨を描けていないこと及びショウが8年間も真実を明かせなかった理由が、描かれた程度のことだというのは理由として弱すぎるという印象を持たざるを得なかったのは、描き方にも問題がある。夾雑物が多すぎるのだ。文章を書くとは、余分なものを削ることでもある。また秘密裡に人を消すことがプロの条件であるハズの殺し屋達が、サイレンサーを付けない銃を発砲するなどあり得ない。この点を見逃す演出の甘さは拭えない。一人だけ役をこなしている役者(カゲロウ・スナイパー役)が居たが、他の役者は、己の明確なヴィジョンを持った上で、役を創り表現しているとは思えなかった。良い役者というものは、板についた時点で、その佇まいを通して人間が生きて在ること、観客に役の持つ位置・意味あいを悟らせるものである。まだまだ若い人ばかりの劇団なので、今後しっかり力をつけ、良い舞台を作って欲しい。現状ではまだお勧めできるというほどの力を持っていないが、熱気は伝わってきたので頑張って欲しい。

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    2018/02/13 15:35

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