オケハザマ 公演情報 流山児★事務所「オケハザマ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    しりあがり寿さんの書き下ろし新作。
    今川義元を主人公とした音楽劇。
    ゲーム的な戦国モノで、今川義元が信長になぜ負けたのか、までを描く。

    (以下はネタバレBOXへ)

    ネタバレBOX

    大人数が舞台の上にあってもいい感じに揃っているし、舞台の上がカラフルになったりして、また大きなヤツが出てきたりと、ワイワイした感じで、とにかく楽しい。

    舞台全体が活き活きしている。

    今川義元はゲームをしている(ゲームをしている感覚なのか?)。
    金(米)、力(兵力)のポイントをアップして自国を強くしていこうとする。
    さらに、名声(京都にあやかる)が必要と感じればそれをアップしようとする。

    目指すは、「戦のない平和な世界」。
    ……ん? ここに引っかかった。これが世に言う「積極的平和主義」なのか? 笑。
    本人はゲームしているのだけど、実際に戦になれば人は死ぬ。
    田畑や町も焼かれたり荒廃したりする。

    それを「ゲーム感覚」でやられてしまってはたまらない。
    今川義元は、家臣たちや母にいろいろとけしかけられて、ポイントをアップしようとしているようにも見える。

    本人は部屋にこもりゲーム。
    そして悪夢の予知夢。
    それを避けたいがため、自分のポイントを上げゲームを続けようとする。

    今川義元が領民にも家来にも慕われて、いい人のように描かれているが、実のところ自分(たち)以外のことを考えてない人にも見えてきた。

    しかし、ラストでようやく現実が見えてくる。
    信長に敗れ、死屍累々の有様を目にするのだ。

    ゲーム世界から現実に目を向けたというところか。
    しかしすでに遅すぎた。

    ところが今川義元はなぜ信長になぜ負けたの答えが、「ゲームのルールが変わったから」となってくる。
    その「理由」には「おおっ!」と思った。
    思ったのだが、まだゲームの中から抜け出せていないのだ。
    やはり今川義元は現実がまだ見えてないようだ。
    つまり今川義元は負けるべくして負けたのではないか、と思ってしまった。

    今川義元役の井村タカオさんがやはり歌が上手い。
    定恵院役の坂井香奈美さんはぐいぐい来ていて、歯切れもいいしキレもいい。

    映像はモロに天野天街風だったが、この作品用にもう少しオリジナリティが欲しかった。
    ダウンタウンブギウギバンドは、いくらなんでも古すぎるよ。

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    2018/02/13 05:47

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