満足度★★★★
開演が19:30なので、善通寺の駅から会場までは真っ暗で、うどん屋もとっくに閉まっている。ノトススタジオ(キャパ:100席)のある大学構内も人っ子ひとり歩いていなくて心細いこと限りなかった。
劇場の明かりにホッとする。
会場に入ると例の通り舞台には既に二人の役者が居て、退屈を持て余し、ひと悶着があったりの中での客入れだ。
時間になると休憩なしの110分の芝居が始まる。
相も変わらず、何となく気になる他人のいとなみはついつい興味があり、無責任な感想やら強引な持論やらに、うん、うんと肯きつつ自分も首を突っ込んでしまっている。青年団の芝居は相変わらずである。
アフタートークで平田オリザに、25年後の再演はどんな意味があるのかを訪ねると、劇団のレパートリーとして上演していくつもりだとのこと。自分の芝居には努めて時事性を除いて創作するように心がけているそうだ。そうするといつまでも芝居は古びない。ただ、携帯電話に関しては頭が痛いという。25年前にはもちろん携帯電話は今のようには普及していなかったので、舞台の役者たちはひとりとして携帯を使わない。劇作家は人とのすれ違いを描くことが多いので、携帯電話があったら「ロメオとジュリエット」は成立しない、だから最大の敵だそうで、頭が痛いという。
ロビーで販売していた著書の最新刊を購入し、サインを貰って、夜も10時過ぎ、凍てつく夜風の中を帰路についた。