満足度★★★★
衣裳、小道具、音響どれをとっても素晴らしい。失礼を顧みずに言えば、明治座の舞台で観たいほどだ。そして何より脚本がよい。
私心に捉われ祭りごとを疎かにした孝謙天皇、私欲のままに帝の位を求めた逆賊道鏡という歴史像を、民を救わんとして仏教に帰依する君と、その志に殉じようとした僧侶に翻案した視点は見事という他ない。
偶然、ちょっと前に孝謙天皇と道鏡に興味を持って調べていた私としては、まさに恩寵のような舞台だった。
そこで、無条件に☆5つと行きたいのだが、そうはいかなかった。
それは、まずよく噛むこと。そしてセリフ回しが悪く、発音が聞き取れない。「し」と「ひ」の区別も怪しい方がいたし、おそらくセリフ間違いもあったように思う。
例えば、道鏡が称徳天皇と共に民に向かい宣言するのは「大君になること」であり「法王になること」ではないし(すでに彼は法王なのだから)、形容詞が被ったりしているところもあったように思う。
もったいないとしか言いようがない。そこで、☆1つ減らします。
それと、時代説明の時は、西暦ではなく元号で言って欲しかった。西暦で言われても、ピンとこないことは同じなので、やはり時代性を尊重して欲しい。
うーん、ホントにもったいないなあ。
2018/02/11 13:34
孝謙天皇と道鏡を調べ知っていらした中での今回の物語への感想とても嬉しく思います。
台詞言い間違い、言い回しなど今後そのような事がないよう、次回に繋げていきたいと思います。
西暦についての感想ありがとうございます。再演の際には参考にさせて頂きたいと思います。
今後ともアブラクサスをよろしくお願い致します。