np tempo(ナップテンポ) 公演情報 !ll nut up fam「np tempo(ナップテンポ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    1月にクリスマスというシチュエーション、時季外れであるが描きたい内容は…。一見もっともらしい主張であるが、果たして描かれているような心を持ち続けていられるのか、と思うような疑問が生じた。
    公演全体は、子役も出演しファンタジーの雰囲気が漂うが、アクションシーン等はエンターテイメントとして楽しめる。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、全体的にピンク色、中央に2~3段の段差を設け、その上下動作によって躍動感を演出する。中央に出入り口があり、その左右にクリスマスツリーが飾られ、さらに両壁に非対称にツリーが置かれている。それを電飾点滅させ美しく柔らかい雰囲気を漂わせる。

    梗概…白衣を着た青年の独り言…ナップ研究所に勤務している。この研究所は不思議な出来事を科学的に解明することだが、どうしてこの職業を選んだかは忘れたと言う。サンタクロースを中心にトナカイとスピナ?で構成された世界がある。最近のクリスマスは子供の夢ではなく、大人が楽しんでいるだけのようだ。サンタクロースはクリスマスが夢を語るものではなく、現実の商業ベースでしかないといった最近の風潮を嘆く。自分の存在・活躍する意味を問うような問い掛け。一方、スピナは人間界へ行ってみたいという望みがある。唯一、サンタクロースが持っている人間界へ通じる鍵を手に入れ…。場面転換し、某所で27歳の男女が語らっている。そこへスピナが現れ、子供(12歳)の時の気持を思い出させる。スピナはこの人間達の化身(童心)であり、社会の荒波に翻弄され、夢・希望を見失っている今こそ、子供の頃の純真なそして希望に溢れる心を取り戻させる。イメージとしては、サンタクロースがいる天上界のような所から下界を俯瞰し、地上に舞い降りた天使の如くである。スピナとの交流を通じて童心を思い出し、希望を持って生きていこうとする姿。そして何故、ナップ研究所で働いているのか、自分自身の初心を思い出す。

    クリスマスを通じて、荒んだ人の心を再生する、そんな姿を見せるヒューマンドラマ。しかし、契機がサンタクロースの愚痴のような繰言が気になる。クリスマスは主に子供(童心)のためと言うが、たとえ商業ベースで本来のキリストの誕生を祝うという宗教色が薄れて別の意味合いを持ったとしても…サンタクロースの存在意義、その思惑は何も子供でなくても良いのではないか?「サンタクロースは煙突からではなく、心から入る」という台詞からすれば、全世代に向けたメッセージの発信、そのうち子供に的を絞った描き方のほうがシックリした。

    サンタクロースがいる世界は格差(階級)社会のような…。サンタクロースを頂点にトナカイ(その中でも序列がある)、スピナ(同様に順位付け)がピラミット型に構成されており、人間社会と変わらぬ、いや日本では少なくとも制度的に階級制(実質的な格差は感じる)はないので、それより劣っているようだ。
    演技、特にトナカイとスピナがサンタクロースの鍵を巡って戦うシーン、そのアクションスピードや拳の空を切る効果音に迫力があり観応えがあった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/01/29 17:53

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