満足度★★★★
誰かの英断。
宮崎あおいを小劇場で観られる。それだけでも価値を見出すことは可能だ。
大河ドラマ後第1作に、まさか小劇場でやることになるとは。
そのような驚きを引き出せただけで、この企画は成功したも同じだ。
そんな3人芝居を、雑音を気にせずにまっすぐに見つめてみた。
吉本菜穂子・六角精児という気鋭を起用したのは、正解である。
おかげで、舞台慣れしていない宮崎あおいがのびのびと遊べている。
線の細い感は否めないが、円形劇場では、さほどマイナス要素でもない。
そして、何となく成功しちゃっている福原充則。
3人それぞれ複数役で遊ばせることで、3人の魅力を引き出している。
あまりにもライトで投げっぱなし感があるのも、福原の魅力。
やりたいことはやれていたのではないか、とは思うのだ。
1時間40分で逃げ切れれば、傑作であったろう。
誰の英断か分からないが、円形劇場を選んだのは正しい。
身の丈という意味において、小劇場を選んだことが正解だった作品である。