ピカソ、ゴッホもダ・ヴィンチも 公演情報 試験管ベビー「ピカソ、ゴッホもダ・ヴィンチも」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    けっこう切実な美術館業界の集客の悩み、そこで働く学芸員…それを目指す人達の狭き門と待遇の厳しさ、創作と仕事の両立と選択…様々な現実味のある悩みのモチーフに…試験管ベビー"らしさ"で彩るアートとコメディのコラボ作品でした。
    前回は「歌舞伎」で仕掛けてきたが、今度は「美術」と…他所の文化を貪欲に題材にしていく姿勢に好感。

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    ネタバレBOX

    (続き)

    名を成した美術作品と美術家を、次々と血祭り…もとい美味しく味付け。いつか怒られる…と作り手側はひやひやしているらしいけど、この距離感は美術を身近に寄せる意味で…アート好きの私にも嫌な感じは湧かない。美術を神棚に飾る様な扱いでなく、同じ人間が作ったモノと等身大で扱ってこそ見えてくるものもある。深い精神的、技術的な話はソコから更に先の話で、入り口は間口広くアレでいいと思うんだよね。やべー奴ゴッホ、金の亡者ピカソ、ザ・めしやで最後の晩餐(やってない笑)、上等じゃないですか。
    その点で丸山さん演じる美大生(?)の「融和の過程」が意味あるエピソードだったと思います。
    実際、本当の美術館側も、展示や企画で目先変えたり…再構成したり、色んな努力をされています。今回の…劇団・市民ぐるみの活動になっていくくだりは、本当の美術館にとっても羨望の展開だったんじゃないでしょうかね~。住宅展示場でやってたみたいに、収蔵品の企画展あたりで試験管ベビーを呼んでみようという美術館いないかな?

    さて、作品自体は小ネタの大集合的な印象で…ドラマ感はやや薄めだったけど、その分充実した美術ネタのオンパレードは、むしろ趣旨に沿うかと。

    入れ替わり立ち代わりの大キャストだし、オムニバスって見方もアリか。

    遂に救世主の高みに登った…ザ・めしや奥村さん、…

    登場しただけで…一堂に残念な空気を蔓延させた寺田さんのインパクト、
    …ノリは一番…どっこい肝っ玉学芸員の松本さん、
    …ちっちゃい論争を巻き起こした瀬名伝説のくだり
    …高橋さんら女子3人と三芳先生のやり取りの軽妙さ、
    …真珠の髪飾りの少女を…そのモデルが誰かで演じ分けた宮田さん、
    …きっちり、お見事、堂にいったプレゼンテーションの林さん、
    …世のオヤジ代表…憎めない小悪党 吉森館長、
    …そして、最後の大物「民衆を導く自由の女神」は、下手なドラマを打つよりもよほど効果的な高揚感があって、まるで映画の様な幕引きは素晴らしい。満を持して女神として登場した主任学芸員 加藤奈々さん、カッコよかった!

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    2018/01/06 19:50

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