はっぱとかみさま 公演情報 劇団星めぐり「はっぱとかみさま」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    狭い小屋にギュッと乙女の拘りを詰め込んだ宝箱みたいな舞台。
    個人的には、同種の空気に擬似科学や社会風刺も交えた前作「ヒカリノ国」方が好みであったが、敢えて奇をてらうことを避けた感じは、まさしく主人公少女を諭す空気に合わせたかのようでした。

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    ネタバレBOX

    (続き)
    「願いが叶う紅茶」「神様になりたい」
    この2つのキーワードが主軸になる展開。空気だけ味わっても十分な芝居だが、私がぼやっとしてたのが、今一つ細部で呑み込めなかった部分もある。

    ①「神様になる紅茶」を飲んだ主人公が果たして神様になれたのかのくだりで、店主と旅好きの常連客との会話から浮かび上がると思しき解釈…

    旅先では自分を作り直せる
    →私を作る私は創造主(神様)
    →自分を変えられれば神様になったと同等

    …は斬新で面白かったが、主人公に何か繋がったのか良く呑み込めず。
    …超然としていた店主が唯一惑いを見せていたシーンなので話のキーだとは思うんだが…。

    ②「力がある物」を得るには「価値のある対価(代価?)」が必要。
    この「価値のある…」は経済社会では「その物を売る方にとって…」だが、ここでは「貰う本人にとって価値があるもの」…となる。
    まるで生贄的対価…。あくまで何かを捧げさせることに意味がある。童話?寓話?的な匂いが潜んでいる様にも思えて、喫茶店形式だと異質に映って面白い。

    ③そして結局「本当の願い」とは何だったのか。…
    …このお店のルールを理解することが、彼女が本当の願いを理解することにたまたま直結したのか…

    それとも「願いを叶える紅茶」は「何でも叶える紅茶」ではなく、「人の喜ぶことを考えるコミュニケーション」が万物の願いを叶える…この紅茶の真髄なのか…

    …何となく本作は単発でなく、この「彷徨える喫茶店」を舞台に、迷える複数の客を相手に短編3本立てぐらいで作った方が味が出そうな趣きでしたが、この「本当の願い」の扱いはこのコンセプトの基本設定に関わる気がしたので、ちょっと気になったわぁ。

    彷徨える湖 ロプノール湖を彷彿とさせるこの喫茶店。超常的な存在の割りに、意外とこじんまり近所を移動範囲としている気がするのが面白い味。

    彷徨える喫茶店を唯一捕捉している常連の旅人かすみは、この世界を膨らませそうな良いキャラでした。
    ピアノ奏者るりはちょっと尖った気質で、この世界のアクセントになるキャラ。何か人間ではない布石も感じましたが、タイヤキを前にして「魚の匂いがしない」は…ちょっと萌え要素でしたね(笑)
    カーテンコールまでずっとモグモグしてたのは面白かったです。

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    2018/01/06 14:27

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