アトレウス 公演情報 演劇集団 砂地「アトレウス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 5つのギリシャ悲劇をもとに紡がれた物語。いかにも古典的に始まったあの冒頭からあの展開は予想できなかった。中盤以降、どんどんと衣装も発話も音楽も現代的になっていく。最後はZARA店内でかかってそうなダンスミュージックに乗せて劇場の外の現在の世界と同化するように、疾走感すら。あれはなんだったんだろうと、いい意味であと味たっぷりで劇場をあとにした。

    娘を神々の生贄に捧げたギリシャ軍の総大将アガメムノン。その妻クリュタイネストラは、夫が不在の10年の月日を愛人との情事にふけることで慰め、凱旋した夫を娘の仇にと殺害する。その10年ぶりに再会する将軍と妻のシーン、迫力あった。大沼百合子さんという女優さんの、諦念と飼いならされた復讐心、嫉妬、鋭い狂気等々、女のエロスに魅せられた。さらにそのクリュタイネストラのもう1人の娘・エレクトラ役の永宝千晶さん(文学座)も、若く美しい女が、だんだんと女将軍のように強くたくましく威厳をたたえていくのが魅力的だった。

    そして、途中からボーンと入ってくる音楽は、トリップホップ!Smith&Mightyの『Same』、MASSIVE ATTACKもかかっていたか。低音ベースラインがボーンと一拍目で入ると同時に、舞台空間が縦横大きく転換し、物語も大きく展開するというその一瞬間がたまらなかった(トリップホップ好きだし)。全然主眼じゃないだろうけど。。ギリシア悲劇と、トリップホップの空間を切り開くベースラインと浮遊感がめちゃめちゃ合ってるように思え、そんな”この一瞬”を観れたのが満足。

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    2017/12/30 01:14

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