SMOKIN'  LOVERS〜紫煙〜【30名様限定公演】 公演情報 惑星☆クリプトン「SMOKIN' LOVERS〜紫煙〜【30名様限定公演】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「Cafe Bar LIVRE」という会場で、その場所に相応しい大人の会話劇(オムニバス全11話)。どちらかと言えば真面目な展開で、政治や芸能界で話題になっている不倫に関する話はない。ドロドロとした痴話喧嘩のような話はなく、あくまで正面から捉えた恋愛話は心落ち着いて観られる。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    特にセットは作り込まず、会場の雰囲気を大切にしている。その中で他人の恋愛話を覗き見、聞き耳を立てる感覚である。役者は基本的にはカウンターに座る、またはその内に入っている。男女の心が揺れ動き、人間としての機微が垣間見えてくる。ドキュメンターを観ているような濃密にしてリアルな会話劇。登場人物の視線が交差し、そこに漂う都会の雑踏と孤独が浮き上がり、自分の恋愛経験の一部のように侵食してくるようだ。雰囲気とタバコの活かし方が絶妙だ。

    ①OP-
    「Cafe Bar LIVRE」という大人の社交場でこれから繰り広げられる導入話。
    ②SEVEN STER-
    ロック歌手をインタビューするが、その応答が聞き取り難くバーテンダーに通訳を依頼するが、意訳し過ぎるのか全然関係のないあらぬ方向に話が進む。
    ③VOGUE-、女同士の深い悲しみが浮き彫りになる。女優で生計を立てているが、芸能界で生きていくことは難しく、AV女優へ転身しようとするが…。
    ④PIANISSIMO-
    父親の会社を継いだ男と先輩らしき男の男同士の会話。先輩の幸せな結婚と妻が新宿のホストクラブにはまり家出された後輩。そこにタバコに関するアンケート。今の心情を傷つけるような内容が…。
    ⑤PEACE-
    4年前に別れた男女(遠距離恋愛)が再会し_男は既に結婚し、女は別れたことへの悔やむ気持を引きずり…。
    ⑥ECHO-
    いい加減なその日暮らしの男、それに対比するようにカウンター内から女が醒めた目で見ている。
    ⑦LARK-
    別れた女がBarを訪れ、近々結婚するという。「好き」という言葉に応答するのが「ありがとう」。その微妙なニュアンスの違いが男女の気持の前に立ちはだかる。
    ⑧CAMEL-
    怖い話。らくだ色の服を着た女が街灯の下で佇み、それを見つけた人は死んでしまう。実は話を聞いている女が怖い。
    ⑨HOPE-
    隣合う男2人の慟哭を誘う会話。男のジッポは親友の形見。親友は交通事故死であるが、その原因を作ったのが自分だと苛む。一方、年配の男には年の離れた弟がいたが交通事故死したと語り出し。2人の会話が交差し…それでもHOPE(希望)を捨てるなと。
    ⑩MEVIUS-
    全体を纏めるようなBarの人間模様。
    ⑪KENT-
    路子とケントが初デート。ケントのスーパーマンの話から人の在り方を巡る話に発展し、正式に付き合うことに。初々しく、清清しい若者の少しくすぐったいような。

    演技は「Cafe Bar LIVRE」という会場であることから後姿が多いが、顔や体そのものを横にしたりして表情を観せる工夫をしていた。本当の「Cafe Bar」であるだけに雰囲気は十分。タバコの銘柄に合わせた話も洒落ており味わい深い。話も人生の滋味、残酷な別れ。そして関係も大人から若者まで演じ分ける。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2017/12/23 11:33

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大