リアル一軒家、のぞき放題。 公演情報 ガレキの太鼓「リアル一軒家、のぞき放題。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ガレキの太鼓復活公演。
    面白いじゃないかっ!!

    予約なしでも入れる、とかで、予約なしで行った。
    入れた。
    その感じもいいね!

    ネタバレBOX

    ガレキの太鼓は、普通に劇場で行う演劇以外にもいろいろな挑戦をしてきた。
    劇場だけど、全体を「教室」に見立てて、観客もそこの生徒となって演劇に参加する、なんていう公演もあった。観客にも台詞や動きがあったりする。その指示の方法がまた上手いのだ。

    のぞき見パフォーマンスは、「普通の一軒家を使って行われる公演」だ。過去にも上演されていたが、初めての参加となった。

    一軒家内の3つの部屋+1で行われる会話を観客は自由に行き来する。

    ある事情を抱えた家族が、家を取り壊す前の1カ月間にシェアハウスにしようとする。
    住民が集まってきた初日の1時間の話。
    リアルタイムに1時間で、観客は「場所とタイトル、そこで会話が始まる時間」が書かれたスケジュール表を渡される。

    主に2階と3階で、それぞれの登場人物たちが部屋を行き来しながら会話を繰り広げる。
    それぞれの事情があり、気になる会話ばかり。

    観客同士が見えるため、言うほど「のぞき見」感はないが、「見たいところに行く」という観客側にイニシアティブがあるのが面白い(出来事が時間的に微妙に重なっていたりするので)。
    実際、台詞の途中で観客が部屋を出ていく場面も多く、その姿を見ている役者さんたちは、「えっ出て行くの?」って感じではないだろうか(笑)。どうなんだろう。

    観客は各部屋の中で、観客エリア(役者が演技をする周りを取り囲むような)から観るのだが、なにしろ普通の家なので、役者と近い。
    その、役者との近さがスリリング。
    役者と目が合ってしまうこともある。
    役者は(普通の公演でも同じではあるが)「自分たち以外にはこの部屋に誰もいない」というテイで芝居を続けるのだが、その、ある種、異様な感じ、異常事態がまた面白いのだ。3階奥の部屋でカップル(たち)の話をのぞき込むように取り囲む、観客たちっていう姿も異様で面白い。

    役者にとって「観られること」の快感もあるのかな?

    お姉ちゃん役の山本陽子さんが中学の同級生との会話でする、「うむむむむ」な、なんともな表情や、次女の友だち役の小瀧万梨子さんの、観客がまったく目に入ってないような、生き生きとした感じが、上手いなぁ、と。さらに、長男のパートナー役の新田佑梨さんが、雰囲気を作るのが上手いからか、生々しくてリアルで、彼女の主張する意味がわからなくて、長男が可愛そうで、腹が立った(笑)。
    役者との距離の近さでさらに役者の力が見えたような気がする。そういうところも楽しめる公演でもあった。

    60分の作品ながら、ヒヤヒヤするような、ぞくぞくとするような、どきどきするような、そんな会話が散りばめられている。登場人物たちのキャラが見えてくるし、その後も気になってしょうがない。
    できればいつの日にか、同じ家で「1週間後」「1カ月後」も観てみたい。

    +500円で時間延長もできる。
    そうすれば、気になる会話を完全に確認できたであろう。私はラストの時間だったのでできなかった。

    あと、気になる役者さんの後ろについて歩き回るっていうのも面白いかも。

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    2017/12/06 04:46

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